
愛はどうして 終わる瞬間に
一番 輝くんだろう。
■監督 クォン・ジョングァン
■脚本 ファン・ソング
■キャスト チョン・ウソン、イム・スジョン、チャ・テヒョン、イ・ギウ、シンミナ
□オフィシャルサイト 『サッド・ムービー』
消防士とニュースュース番組の手話キャスターとして働く女性、聴覚障害者の女性とその彼女がアルバイトをする遊園地に毎日やって来る似顔絵描きの青年、3年間無職の生活を続ける青年とスーパーのレジのパートタイマーの女性、キャリア・ウーマンとして働く母親とその息子という4組のカップルが織り成す様々な別れのスタイルを描いている。
おススメ度 ⇒★★★ (5★満点、☆は0.5)
cyazの満足度⇒★★★☆
恋に不器用な消防士:ジウ
チョン・ウソン
プロポーズを待つ手話通訳アナウンサー:スジョン
イム・スジョン
終わった恋に気付けないダメ男:ハソク
チャ・テヒョン
新しい恋を見つけてしまったスーパーのレジ女:スッキョン
ソン・テヨン
彼女の視線に気付かないハンサムな絵描き:サンギュ
イ・ギウ
恋に落ちた耳の聞こえない少女:スウン
シン・ミナ
愛する母を守りたい少年:フィチャン
ヨ・ジング
病に倒れた母親:ジュヨン
ヨム・ジョンア
予告編で何度も聴いたrockwellの「Without You」、原曲はバッド・フィンガーの曲ですが、僕には受験勉強をしながら聴いていたニルソンが心に刻まれています。 後にマライヤ・キャリーも歌っていましたが・・・。
そのrockwellの「Without You」がこの映画の予告の映像と重なっただけで、すでに色んな想いが込み上げて来ました。 ちなみにこれはこの映画のイメージ・ソングということで、挿入歌でもテーマソングでもなく、エンドロールでは流れません。
子役のヨ・ジング以外は韓国映画界ではそれぞれが主役を張れるようなキャストばかり。 この映画のために調整し、集まったできた様々な別れのシーンを心温まる映像と、折り重なるストーリーを素晴らしい脚本で仕上げられていた。
中でも『私の頭の中の消しゴム』でブレイクしたチョン・ウソンは、この中の“別れさせ屋”役に『猟奇的な彼女』・『僕の、世界の中心は、君だ。』などで人気あるチャ・テヒョンを自ら口説いたそうだ。 『アメノナカノ青空』のイム・スジョン、そのほかシン・ミナ、ヨム・ジョンア、イ・ギウと素晴らしいメンバーが集まって、それぞれがそれぞれの役で見事に様々な“別れ”を形作っていた。
4組の男女(ひと組は母子)の織り成す“別れ”をテーマとしてドラマ。
それぞれがクロスオーバーしながらも4組4様の“別れ”を描いてゆく。 出会いがあれば別れもある。
恐らくは予告を観て消防士役のチョン・ウソンとイム・スジョンの別れに、その期待の大半をイメージしていた方も多いと思う。 しかし、そこにはもっと印象深い別れと、別れを迎えるのだがなぜか少しホロッとして、それでいてなぜか心が温かくなる別れがある。
もっともつらい“別れは”この映画でも2組が描かれている「死」だと思う。 チョン・ウソンとイム・スジョンの別れについてはどうしても普通の変化球なしの直球ストーリーだったと思う。 そこに傍らの妹が二人の仲のいい二人の姿を見ながらもその横顔にあの絵描きへの想いが感じ取れる。
チョン・ウソンをいいと思ったのは、先にも書いたが「別れさせ屋」を演じるチャ・テヒョンにこの役を推したところだ。 自らもテヒョンを口説いたと聞く。 それはテヒョンでなければこの役が台無しなったような気がしたからだ。
つまり、このハソク役はテヒョンでなければ演じ切れなかったし、彼でなければ成り立たない役だと思った。
初めて彼にとって仕事らしい仕事となったこの「別れさせ屋」を、まさか自ら好きな人から依頼をされるとは思わなかった。 スーパーのレジで仕事をする彼女を、ドアの外から眺めながら別れを伝えるくだりは例えようもない悲しさだろう。 ガラスに映る彼の表情は、彼のお得意なところであり、大切な表情だったことだろう。 難を言えば、仕事を終えた彼女が傘を持たずに出てきて、置き忘れた傘を目にしたとき、それが彼の「別れさせ屋」の仕事を全うしたこと、彼が彼女への気持ちにピリオドを打ったことを、明確に表現できるようなツールとして用意されていなかったことかもしれない。 でも彼のどこにも持っていきようのない悲しみに、涙を流さずにはいられなかった。
もうひとつは聴力に障害をもつ彼女と若い絵描きのストーリー。
これは彼女を応援するまるで7人の小人ならぬ大人(笑)と、耳の聴こえないしかも女性として致命傷の顔に火傷を負ったシンデレラと絵描き青年の淡い別れのお話だ。 ハンディがあるとそれだけでなんとなく感情移入しやすいのだが、ぬいぐるみの中で顔に負った火傷のあとを気にしつつも、彼の優しさに引かれ、最後は素顔の自分をスケッチさせる。 そしてそれをバックアップするように7人の被り物仲間が後押しする。 なんとなく別れとは別の和むシーンもそこにあった。
4つの別れには、それぞれに物語があり、人が出会ったら必ず別れが来る。 それがどんな形で、それぞれの想いを寄せた人たちとの別れになるかは誰にもわからない。
そんなことを思うのは、昨夜放送されていた、会いたいと思ったときに会えず、逝ってからその願いが叶った本田美奈子の“別れ”だった。
同じ病で2ヶ月前に逝った若い友人にもそんな夢があったのだろうか・・・。
人生って思わぬところで、予期せぬ“別れ”があるものだ。
(ポスターの写真も撮ってしまった
その他の配役は全く知らなかったのですが、すごく豪華なキャスティングなんですね!チャ・テヒョンくんやシン・ミナちゃんまで出ているんだ!
DVDがレンタルに出たら見てみようかな~
>この映画のチョン・ウソンさんが消防士姿で出ていて、「かっこいいなぁ~」と思いながら見ていたんです!
初日に観たのですが、ウソンのピンのポストカードプレゼントがあり、かみさんは大喜びでした(笑) ちなみに今日も別の映画に行きましたが、今回は消防士のウソンのポストカードだったようです。そんなところまでチェックしているかみさんは鋭い(笑)
>その他の配役は全く知らなかったのですが、すごく豪華なキャスティングなんですね!チャ・テヒョンくんやシン・ミナちゃんまで出ているんだ!
DVDがレンタルに出たら見てみようかな~
是非観てみて下さい!
たまたまテレビを見てたら放映中でした・・・
弊ブログへのトラックバック、ありがとうございました。
こちらからも、コメントとトラックバックのお返しを失礼致します。
この作品は、出演者の皆さんの好演と全体的に丁寧な工夫が凝らされており、クォン・ジョングァン氏の優れた手腕を強く感じさせる仕上りであったと思います。
また遊びに来させて頂きます。
ではまた。
>イム・スジョンとヨム・ジョンアがしっかり『箪笥』で繋がってました(笑) たまたまテレビを見てたら放映中でした・・・
なるほど、そこで繋がっていましたか(笑)?
残念ながら『箪笥』は未見です><
>この作品は、出演者の皆さんの好演と全体的に丁寧な工夫が凝らされており、クォン・ジョングァン氏の優れた手腕を強く感じさせる仕上りであったと思います。
そうですね! 2時間の時間枠の中に4つのストーリーを盛り込むのは大変だったと思います。
それぞれの別れの切なさが暖かく描かれていたものの、いくつか現実離れした無理な描かれ方をしていた部分には、少し引っかかりを感じました。
しかし、俳優陣は適材適所で素晴らしい演技をしていたと思います。
私は公園の七人の小人と少女と画家の卵の、可愛らしいエピソードが好きです。
この日、純愛もの三連荘してしまったのですが、全部で死んだ人が6、7人!なんだか「死」という物に過剰反応してしまった自分がいました。
毎日、悲惨なニュースが聞こえる中、映画の中でもそんなに人を死なさないで・・・と思ってしまったのでした。
映画的には、すこーーし盛り込みすぎかなと。新人監督らしく、潔さがなかった。全てに愛情そそぎすぎて、全体的に薄まった感じでした。
シン・ミナの聾唖の少女の恋が一番素敵でした。母子のは母としてはもう凝視できない。辛すぎて。
>いくつか現実離れした無理な描かれ方をしていた部分には、少し引っかかりを感じました。
確かにそういうところはありましたね^^
>私は公園の七人の小人と少女と画家の卵の、可愛らしいエピソードが好きです。
僕もあのエピソードは好きです!
>私の否定的な意見に、TBして頂いて恐縮です。
いえいえ、感じ方はそれぞれで自由ですから^^
僕も酷評している映画は多々ありますので(汗)
>毎日、悲惨なニュースが聞こえる中、映画の中でもそんなに人を死なさないで・・・と思ってしまったのでした。
そうですね、確かにそれは言えますね!
>シン・ミナの聾唖の少女の恋が一番素敵でした。母子のは母としてはもう凝視できない。辛すぎて。
わかります。これとチャ・テヒョンの2本だけでもっと時間をかけて欲しかった^^
>ごった煮のチゲで、味の個性がお互いを相殺してしまったような
こういう映画他にもありましたよね><