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彼は、逝きました。夢に向かって急ぐように。
■監督 河毛俊作
■脚本 大森寿美男
■原作 坂本小百合
■音楽 坂本龍一
■キャスト 柳楽優弥、常盤貴子、高橋克実、蒼井優、倍賞美津子、武田鉄也
小川哲夢(柳楽優弥)は、家族思いの優しい少年だったが、両親の不和や小学校でのいじめが原因で、
内にこもりがちだった。 しかし、ある時両親が経営する動物プロが購入した仔象・ランディと出会い、
その神秘的な力に触れ次第に心を開いていく。 環境と天賦の才能により、象の言葉を理解できるほどの
資質に恵まれた哲夢は、日本人初の象使いを目指し、タイの象訓練センターへ留学する。
おススメ度 ⇒★★★☆ (5★満点、☆は0.5)
cyazの満足度⇒★★★★
実話に基づくこの映画には、人間と象とのコミュニケーションと、人間と象が、
そしてそのほかの動物が共存して生きていく術を一人の少年の夢を通して描かれていく。
柳楽優弥クンについては特に改めてここで書く必要もないと思うが、少なからずその同世代には
持ち合わせない大人びた一面と、少年の域から脱し得ない等身大の一面の両面を、
映画というキャンバスに描きこんでくれている。 彼については決して演技が上手だとは思わない。
前作もそうだったが、どちらかというと暗い過去、あるいは非現実的な日常に直面した翳のある
少年という役柄が適役かもしれない。 彼が今後、自分の成長とともに役者としてどう成長していくのか楽しみだ。
“一芸に秀でる” これは素晴らしいことだと思う。 象の言葉が理解できる。
そんな話は馬鹿げた話で済ませられてしまうかもしれない。 ただ親が動物プロダクションを経営するという、
そういう環境と理解が、彼の特殊な才能を大きく開花させた要因でもあった。 遅れて象使いになる過程で、
彼は言葉も十分通じない世界で孤立しながら、それでも象と会話できる特殊な才能で、いつかは回りも彼に
一目置くようになる。 そんな彼が日本に戻り仔象・ランディと二人三脚で成長していく姿はとても素晴らしいし、
人間と動物の関係・距離をよく表していたように思う。
途中、戦時中にやむなく殺すしかなかった象・花子の物語を映画の撮影にしつらえランディを使わせていた様には
武田鉄也のひょうきんな演技とは別に悲しい想いが去来した。
映画を観た後、TVで本物の小川哲夢クンの当時の様子を映像で観ることが出来た。
そして、
本当にランディが哲夢クンの棺に鼻を巻きつけ別れを惜しむ様子と、調教のための杖を哲夢クンの弟に渡すシーンが
映し出されていて、涙が止まらなかった。 映画のために脚色したわけでなく、本当に事実としてその場面があったことに
感動し、胸が痛くなった。きっと彼は星になったわけでなく、生まれ変わった新しい命として象に生まれ変わって生きているのだと思う。
そう信じたい。 そして、弟さんは象使いになっているという。 何て素晴らしいことなんだろう。
日本にいるゾウたちは、
人間の勝手で連れてこられたのに、
それでも一生をかけて、
人間を慰めていてくれるんだよ。
それなのにゾウたちは結局、
コンクリートの狭いゾウ舎で
孤独に死んでいくんだ。
いつか僕はそんなゾウたちに、
幸せな余生を送ってもらえる楽園を作りたいんだ。
哲夢は生前、口癖のようにこう語った。
(原作:「チビ象ランディと星になった少年」まえがきより)
≪追記≫
俳優、柳楽優弥(15)が8日、東京・渋谷区のシネフロントで主演映画「星になった少年」(河毛俊作監督)の
特別舞台あいさつを行い、スマトラ沖地震被災者のために同映画で集めた「ちび象ランディ募金」の一部を
日本ユニセフ協会に贈呈した。 同映画では、チケット料から1人あたり20円を同被災者のための寄付金と
して集めてきた。この日、観客動員数100万人突破を記念して、主演の柳楽が代表して2000万円を
日本ユニセフ協会大使のアグネス・チャン(49)に贈呈。 アグネスは「感謝の気持ちでいっぱい。
被災地の子供たちのために使いたい」と感激していた。 (8月9日付サンケイスポーツより引用)
こういうことって本当に嬉しいことですね~ 本当に使途が明確な形で利用されるのなら、
多少映画料金が高くても、僕はいいと思います。 映画を観たときに気がつかなかったのですが、
「ちび象ランディ募金」の募金箱があったら、そのときポケットに入っていた小銭は全て入れたと思ったので残念です。
そうでしたか~!あの、”ランディ”と棺のシーン....。
参りましたm(_ _*)m ....。感動とか、どうとか....。
もうそんな次元じゃないッ!。。。。。
もう。。。。目が霞んでしまい。。。。
書けません<(_ _)>。。。。。。。。。。。
でしたが、号泣するところまでいかなかった。
号泣すると思って、ちゃんとハンカチ用意
したんだけどねぇ・・・
映画を観たその日に実際のランディの映像を観せられ、
これはもうなんとも言えない胸の締め付けを感じました><
人間同士の信頼関係が失われていく現在社会に、この映画が警鐘を鳴らしてくれればと信じたいです。
しっとり泣かせていただきました><
実際の映像を観た時には抑えられず号泣しました。
ストーリーを把握した上での実際の映像には、久しぶりに溜まった涙が全て出た感じでした・・・。
葬式のシーン・・・
それ以外にも原付で出掛ける哲夢を見送るワンチャンの顔・・・
そして、事故の瞬間全ての象達が叫ぶ・・・
人間世界で忘れられている何か、を考えさせられました。
涙の止まらないとてもいい映画だったと思います。
役者さんたちも動物達にも、泣かされました。
私もテレビで当時の葬儀の様子をみました。
ビックリでした。
胸が熱くなりました。
本当にあったなんてとても劇的ですよね。読み返して感動が甦りました。役者といい音楽といいとても良い映画を見せてもらったと思います。体に熱いモノが走りました。。。
>人間世界で忘れられている何か、を考えさせられました
本当にそうですね!
言葉というコミュニケーションツールを持ってしても・・・。
人間同士って不器用なんですかねぇ(笑) ?!
動物って 信頼している相手には 無条件に愛情をくれますから あのシーンは頷けます。
私の恋人だったニャンコも 沢山 愛情をくれたよな…なんて 思い出しちゃいました。
>役者さんたちも動物達にも、泣かされました
ほんとですね^^
役者に負けず、彼(彼女)らの演技も見事でした!
>私もテレビで当時の葬儀の様子をみました。胸が熱くなりました
あの映像で本当のテツ君とランディの実像を見せられ、涙なしではいられませんでした・・・。