最近の若い年代にはダイヤル式電話の使い方を知らない人が多いそうで。無理も無いですよね、最近ではお目にかかる事も無いし、赤電話や黒電話なんていまや骨董品扱いかも。でもBB世代の若い頃は手紙と電話、あと、狼煙位しか通信手段が無かったのです。
だからデートの約束一つも大変でした。大概は家族全員で固定の黒電話が一つでしたからそこに掛けるしか無く、直接本人が出ると良いのだけど、誰が出てくれるかわからない。相手のお母さんはまだ理解がありそうだけど、お父さんは苦手だし…とドキドキ。
切り出しの言葉を何度も口の中で繰り返し、深呼吸してから意を決しダイヤルを回す。コール音が聞こえ、「もしもし…」出たのは … ここから先が面白いのですが続きはまた?
もし相手から掛かって来たらまた大変で、トゥルルル…「はいもしもし」、アチャ!妹がとってしまい「お兄ちゃん女の人から電話…」、家中が一瞬静まり家族の耳がダンボになって…。いずれも同年代にはありそうな話ですが、残念ながら私には無かったなぁ…
ジェフ・リン率いるE.L.O (エレクトリック.ライト.オーケストラ) の「テレフォン・ライン」の電話は、もしもし元気?色々と話したいんだ もし君が電話に出てくれれば… 誰も出ない、僕にチャンスが欲しい…。くぐもった電話の声を模した部分など、切なさが伝わる名曲です。
♪電話かけてもベルだけが、と歌った朱里エイコの「北国行で(詩:山上路夫)」とか、♪ダイヤル回して手を止めたと歌った、小林明子の「恋に落ちて(詩:湯川れい子)」などの歌にもありますが、80年代中頃まではダイヤルを回し電話を掛けていました。
その時に、ダイヤルが"ジ~コ”と戻るまで独特の間があるのです。だからその間に逡巡し、手を止めたという歌詞に、”ピ・ポ・パ"と違う切なさがあるのですが、ダイヤル世代にしか通じない話になったかな?
そのE.L.Oは今年でデビュー50周年だそうで、私の中では比較的新しいグループ(?)ですが、テレフォン・ラインのヒットが76年ですからねぇ、もうそんなになるかぁ?と、自覚の無いままのジジィ進行に、愕然とするばかりで困ったものです。