2月に入るとオルガンを聞いて春を待つ。名称はウィンターだけど何となく自分の中ではそんな気分で、昨日はキタラの大ホールへ。
演奏は昨年第24代オルガニストに就任したウィリアム・フィールディング。彼は1999年のイギリスの生まれだそうで、もうキタラが出来た後から生まれた人達がオルガニストに就任するのですね。
キタラのオルガニストは、オルガンとの親和性からか(?)、今まではフランスの人が多かった気がしますが、イギリス人は初めてかな?どうでも良い話ですが。
1曲目の「ヘンゼルとグレーテル」は彼の編曲。やさしい音色ながら静かに深く伸びる低音が心地よく、私的には掴みはOK。2曲目ヴィドールのオルガン曲は、メロディアスだけど、どこか屈折して聞こえるのは私の心の歪み?のせいでしょう。
3曲目「わびしき真冬に」は5つのパートで構成され、最初の曲はどんよりした雪空を思わせる濁したレジストレーションが合い、又ケルトを感じさせるメロディも出てきました。4曲目も今の時期に合った「子供の領分より第4曲雪は踊る」
5曲目はチャイコフスキーの組曲「くるみ割り人形」でこれも彼の編曲。
くるみ割り人形といえば、エマーソン・レイク&パーマーのナットロッカーに気持ちが飛ぶ昔のロック少年。20代の彼のレジストも何となくシンセを思わせるのは気のせいですが、そんなシャープで緊張感ある音が、最後の「花のワルツ」の優しい音で解けて大団円へと…そんな感じでアンコールは無くオルガンコンサートは終了。
でも彼にはもう一仕事あって、5時から開演のライトアップ・ロビー・コンサートで今度はピアノを弾くのです。彼はピアニストとしても活動しているそうで。
地灯りだけと思っていたロビーが、こんな風にライトアップされたのは初めて見ました。
演奏してくれたのはこの5曲に、アンコールはジャズのスタンダードにもなっているガーシュインの「ザ・マン・アイ・ラブ」から「アイ・ガット・リズム」へとのメドレー。
いやしかし、押し込む鍵盤もたたく鍵盤も弾けて、ジャズの曲にも、もしかしてロックにも?? とは、今回のオルガニストさんもまた楽しみです。
以上、【聞きたい365日】 第371話でした。