折り込みで「アイヌ文化フェスティバル」を知り、先週末の土曜に行って来ました。受付で資料を入れた袋をもらいましたが、ウポポイのロゴの入ったしっかりしたもので嬉しい。
12時に開場し講演は1時から。その間にロビー展示を見学。木彫り実演や刺繡(右上)の実演には人が集まり、割り込む余地が少ないので私はゆっくり展示パネルを拝見し、改めてアイヌの人々の信仰や生業、食や芸能の知識を仕入れましたが、帯広や函館に行かないと見られない図書館所蔵の絵や写真もあり、ありがたい事です。
アイヌの人達は何となく山の民、と思うのは山育ちの私の乏しいイメージですが、北の荒れた海に漕ぎ出す海洋民族でもあったそうです。
人々は板綴船(イタオマチプ)でロシアの沿岸やカムチャッカを訪れ、猟の獲物エゾシカやクロテン毛皮などで交易したそうです。彼らが使った漁の道具、仕掛け罠猟の道具など、これらの民族と似ているそうで、幕府が鎖国の頃から開かれた民族だったのですね。
衣装も何着か展示され、これは地域による違いがあるそうですが、二風谷で見た時は見るポイントがわからなかったので、いい機会と係りの方に伺いました。
最初に説明してもらったのが左の衣装。これにはまず縦縞の生地があり、そこから模様の入る部分に青く下地が入っています。つい文様の違いばかり見ていましたがそこから見てゆくのですね。そしてその隣はかなりダイナミックな白抜きになっています。
また下左の様に下地を抜きに直接刺繍を施したものもモダンですね。そして最後に見せてもらったのが右の衣装で、これは浦河アイヌのものだそうです。
言われるとそうか!と思いつつ、曖昧な記憶をたぐると、子供の頃にたまに見かけたフチの衣装はこんなのだった気がします。少なくとも上三枚はや左は記憶に無いですし、何か急に懐かしさがこみ上げるようで、うれしい出会いでした。
見るポイントが多少は分かった気分になり、また二風谷でじっくり見比べてみよう。
ホールでは表彰式~基調講演~古式舞踊~口承文芸と続くのですが、この日はOB会の新年会の先約があり、泣く泣く古式舞踊を前に退席しましたが、故郷につながる衣装の事を思い出させてくれた大事な一日でした。