子供の頃悪ガキだった。
昔はよくいた、近所のカミナリ親父によく怒られ
怒られの仕返しに、盆栽割ってまた怒られる
ドラえもんの世界のようですが、昔はホントによくあったこと。
母親と一緒に謝りに行って、帰りに母親にカミナリ落とされる。
その時の母親の形相は、鬼舞辻無惨。
無惨の様に、顔色は変えず
カミナリを使いこなす。カミナリの呼吸の使い手でもあるらしい
私が大きくなりつつもまだお化けが怖い年齢の頃には、悪さをして、口ではもうダメだと思ったのか、暗ーい個室に閉じ込められ、反省しろ!と…
反省部屋はキツかったなぁ…
でも寝ると忘れる私w
カミナリは二十歳になるまで大小様々続いたとさ…
話はここからです。
二十歳になった日に「もう怒るのは辞めます」と、アイドルの引退のように宣言されました。
大人だから、これからは自分で責務を果たせ、ということですね。
あれからホントに怒られることなく、
強かった母親が、普通の母親になった。
なんか拍子抜けしていたが、それにも慣れた。
それから今までずいぶん経つ。
この間、仕事中に母親から電話が…
珍しいなと出ると「動けない…助けて…」
焦る私。仕事を中断し急いで母親の元へ行くと
痛みから来る震え、その痛みに耐える母親が…
救急車呼べよーと言っても躊躇してしまうらしく、ひたすら私が来るのを耐えて待っていたみたい。
車に乗せて病院へ行く
整形外科は、元気なお年寄り達で激混み
母はその元気一杯なお年寄り達よりは若いので、痛みに悶絶していても席すら譲ってもらえない。
私が声をかけ、席を空けてもらい母を座らせる。
呼ばれるまで相当かかると覚悟していたが、お医者さんが空気読める方で、元気一杯なお年寄りより先に呼んでくれた。
背骨が圧迫骨折していた。
転んだりしてではないらしいので、もっと検査しましょうと後日日を改めてじっくりやってもらうこととなった。
痛み止め処方処置などして貰い、病院からの帰り道。
昔あんなに強く大きかった母が、か弱く小さくなっていた。
時は残酷だ。見たくなかった姿だった。