君の手を

君の手を離さずいれば二人だった幾度も見つめ春の命を

水晶のかけら

水晶のかけら分け合い微笑みを返して君の多面体抱く

おまえがね

おまえがね最後のおんなだなんてね知ってるそれはやさしさだって

どうして

どうしてよどうしてなのよ疑問符よシャボンになれよただちになれよ

ししししし

しししししホテルの部屋で永遠祈りあり得ないよと何度も書いた

港から離陸をするよ

港から離陸をするよ君は無く星のない夜笛を鳴らすね

うさぎの刃

ひたすらにきみの真ん中かじるのは満月に棲むうさぎの刃

勢いで抱くこともある

勢いで抱くこともあるだからなに愛など軽く越すよあなたは

闇闇闇にふうふうと

病める女(ひと)闇闇闇にふうふうと星屑をまく無風の荒野

シロップになって

シロップになってあなたをくるんだら光る夢だけ煮つめるつもり

器なくした愛しみだから

空に泣け空に泣け泣けこれはもう器なくした愛しみだから

うなだれきったてのひらに

何もないうなだれきったてのひらに苺を乗せて春を数える

愛してるというその声

愛してるというその声月に染め子宮のベッドに横たえますね

夢とはね

夢とはね東の国で星紡ぎただその糸で編むことだった

溺れるままに

岸遠く春の波間を泳ぐ人溺れるままにいき急ぎ