【深夜航路】
夜の海を往く船はまるで月に吸い込まれていくようだった。
実際吸い込まれたのかもしれなかった。
深夜航路の船上に過ぎるのは自身のかなしみと誰かが落としたかなしみと。
それらを海に映しては溺愛の術を思う。
夜空を愛で続けるには海はあまりに暗く。
愛でもない海で溺れそうになるのだった。
flake74『深夜航路』
夜の海を往く船はまるで月に吸い込まれていくようだった。
実際吸い込まれたのかもしれなかった。
深夜航路の船上に過ぎるのは自身のかなしみと誰かが落としたかなしみと。
それらを海に映しては溺愛の術を思う。
夜空を愛で続けるには海はあまりに暗く。
愛でもない海で溺れそうになるのだった。
flake74『深夜航路』