DayDreamNote by星玉

創作ノート ショートストーリー 詩 幻想話 短歌 創作文など    

梅雨の晴れ間に夢を見た

2020年06月22日 | ソネット帳
梅雨の午後 僅かな晴れ間の
そのすきに 
夢だとわからず
そこに在るものたちに 手を伸ばし 身体を預けた


けれど どうしても
触れることができず 手は折れ 身体は傾き
心はしくしくとしたのだけれど
他に場所はなく わたしはそこに居続けた


居たのはどれくらいなのか 
永くなのか 一瞬なのか 
時は計れない 夢なので


それが夢だと
知ったのは
随分あとになってからだった







道の先に

2020年06月14日 | ソネット帳
花占いをしながら
道を選んできたのだと
花のない枝を
あの人は握り 道を標した


そうすると
花が舞うのだと
咲いて散り
咲かず散り


行くも行かぬも
進むも引くも
守るも背くも


道の先に
花が
舞うのだと




#深夜の二時間作詩





ハザマ

2020年06月13日 | ソネット帳
詩を口ずさみ続け

眼を凝らし耳を澄ませていると

辿り着くのは

小さな小さなハザマなのだった



詩と死の間に横たわる

ハザマなのだった

ひとひとりがやっと立っていられる

ハザマなのだった



つめこまれたあなたとわたしは誰かとわたしは

向き合うことはせず 尋ね合うこともせず

透明な影のように ただそこに立つことを選び


吐息は聞こえるというのに

鼓動は速くなっているというのに

紡ぐ祈りの意味さえ知らず 薄く平らに 透過させていくのだった