先日実家に帰った時の話
昼食直前に「近所でイチゴを買って来る」と母が出て行ってしまった。
「これでまた1時間は戻ってこない」と弟。
慌てて追いかけたもののすでに視界に姿無し。
相変わらず足が早い 汗
一日何度か散歩と称してひとりで出かけているようで、出かけるとしばらく戻ってこないとのこと。
知り合いに会ってお茶に誘われたとか、そのまま話し込んでしまったとか、毎度の言い訳。
昔からご飯が出来上がるタイミングで家庭菜園や庭仕事で外に行ってしまうことがあり、相変わらずだなと思いながらも
行方不明の老人を探すお知らせを聴くとやはり心配にもなる。
本人は散歩だと言っていても外から見たら徘徊に見えるかもしれない。
生まれてからずっと住んでいる土地だし周りも親戚や知り合いだらけ。
今の所迷うことなく帰って来ているが、この先は分からない。
自宅で仕事をしている弟は玄関を開ける音がすると声を掛けているらしいが、
何しろ92歳とは思えないほど足腰丈夫で動きが速い母
障害を持つ弟は直ぐに追いかけることも出来ず大変だそう。
今後は朝服装をチェックし、万が一の時は警察にきちんと伝えられるようにしないといけないと話していた。
本当にそうだね。
で、先ほどのイチゴを買いに行くという話。
財布も持っていないのでは?と思っていたが、なんと本当にイチゴを買って帰って来た。
近所の農家にはもう無かったので、スーパーまで行ったとのこと。
財布もちゃんと手に持っていた。いつの間に?
イチゴの他にもあれこれ買っていて、レジの方に迷惑掛けなかったかな?と別の心配も。
以前は本当にしっかりしていた人だけに、こういう心配をするのがなんともやるせない。
昨年帰った時にはこんなこともあった。
夜中に頭痛がして薬を飲みに起きたら、隣の部屋で寝ている母を起こしてしまった。
「寒いからでは?」と押し入れから布団を取り出し掛けてくれた・・・所までは良かったのだが
数分後また母の部屋の明かり点き「寒いから頭痛がするのよ」と言いながら押し入れから更に一枚布団を出す。
「もう十分だから」と言っても聞かず、私の上に更に布団を掛け部屋へ戻っていった。
それから数分後また母の部屋の明かりが点き、
「寒いのでは?」と母が入って来た。
押し入れからまた布団を出そうとしているので
「もう本当に大丈夫だから、お願い休んで」と懇願してもまた一枚掛けて行く。
朝までこれを何回繰り返すのだろうかと思ったら恐怖さえ感じだが、心配してくれる母の気持ちは嬉しかった。
次の朝、掛け布団が何枚も重なっている私の寝床を見て母が一言。
「そんなに掛けるから肩が凝って頭痛がするのよ!」
要らないと断っても何枚も掛けたのあなたなんですけど⁉️
その前にも同じようなことがあった。
冬なのに寝床に虫が一匹飛んでいて耳元でブーンブーンと
五月蠅くて眠れない。
騒いでいると母が起き出しフマキラーを持って来た。
その後、何回も起きては持って来て、
数本列んだフマキラーを見ながら
一体この家にはどんだけフマキラーがあるんだ?と大笑いしたっけ。
認知症になっても子供の咳ひとつで心配し、過剰なくらいに世話をやいてくれる母は、昔のままの母だなと思う。
私達が帰る時に見送るのが寂しくて嫌だと言う癖に、先日も外まで見送りに出て来た。
車庫の前に立ち、車に向かってオーライオーライと合図する母。
「全く邪魔なんだよね!」と妹。
確かに〜 (笑)
でもあれでしっかり役に立っていると、母は思っているに違いない。
身体が小さくなっても、私にはまだまだ大きな母なのだ。