日本グルーヴチューン振興会

嵐「GUTS!」

なかなか書けないでいたレヴューですが、さすがにGWくらいは一つ更新でもしておかないとな・・・・・・と思いまして選んだのは、やはりコチラの作品(笑)




「GUTS!」
2014/4/30リリース
ジェイストーム
JACA 5402~5403(初回盤)
JACA 5404(通常盤)






まず、タイトルチューンについてのお話。
最初に耳にしたのはCDTVの“新曲EXPRESS”での15秒~20秒程度でした。ファーストコンタクトは「ほぅ・・・なかなか良い感じやん」といった軽い期待感。
2回目はラジオ音源を録音した、さほど音質の良くないフルヴァージョンに近いモノ。その時に思ったのは・・・・・・・・・(ファンの皆様に怒られるのを覚悟で言いますが)「なんだろ?この“安い”感じは?」でした(苦笑)
思うに、サビ頭の『VIVA青春』というフレーズが原因なんだろうと思います。前作「Bittersweet」のカッコいいメロウグルーヴ感に対する落差がそう思わせたのだろうと、今になって思うのです。
しかし、この失望感は徐々に好感へと変化していくのです。

 

3回目のコンタクトはドラマ『弱くても勝てます』第1回のオンエア。ドラマ内で耳にするこの曲は、その世界観がドラマとマッチしていて、以前に感じた印象は薄れていったのです。
そして、リリースされたCD音源を1週間聴き込むことで、当初の失望感は一切消えてしまいました。
前作に続き、絶好調の石塚知生氏がアレンジしたバックトラックは、疾走感のあるストリングスと華やかなホーンが彩る勢いある仕上がり。意外なほど強いベース音とギターのカッティングは充分なグルーヴを生み、Aメロラストのアラビアンテイストやエンディングに差しこまれるスラップといった小技も心憎い。
ラストのコーラス2回り目冒頭、若干フェイクする感じ聴きたさで、何度もリピートしてしまう私がいます(笑)
ヴォーカルディレクションも、ユニゾンを生かしながらハーモニーを印象づける辺り、気合いと成長を感じられる。
聴けば聴くほど好きになる・・・・・そんな曲でありました。





初回盤のカップリングは渡辺泰司氏が作曲し、吉岡たく氏がアレンジしたクラブエレクトロ「Fly」。昨年のシングル群のテイストを踏襲している感じですが、この曲に関しては個人的にインストがカッコいいなと(苦笑)
歌メロがもう少し印象的だと良かったな、なんて思いました。



通常盤カップリングの「君が笑えるように」は、スロウナンバーにしては珍しく好印象(笑)
古今東西の名バラッドをブラッシュアップした様な美メロと、編曲のha-j氏お得意のドラマティックなストリングスが両輪となって、心地良い世界を作り出している。
サビ頭の「さよなら さよなら」のフレーズが、KAB.の名曲「レール」を彷彿とさせるのも、私としては好感度アップ(笑)




そして、通常盤カップリングのもう1曲が「Love Wonderland」。
PALM DRIVEのAKIRA氏が作・編曲したこの作品・・・・・・・・名曲です。
冒頭5秒のカッティングでベタ惚れです(笑)
なんか、こういう乾いたファンクグルーヴって久しぶりに聴いた気がするんです。とてもとても楽しそうな5人のパフォーマンスが想像できる仕上がりが素晴らしいです。
各人の声のパーソナリティを最大限に生かすパート割も絶妙。大野くんや松潤は当然として、特に感じたのは、ニノのこのタイプの曲における親和性の高さだったりします。
この曲に関しては、前述の「Fly」と真逆でインストより歌入りの方が断然良いと感じます(当然ですがww)
フィリーソウルを下敷きにした様な流麗なストリングス、軽やかさよりもメリハリとタメを効かせてドライヴするギターカッティング、ブレイクのタイミングからフリーソウルの雰囲気を漂わすブリッジ部まで細部に渡って緻密に作っているのに醸し出されるイイ意味でラフな余裕・・・・・・・何もかもが理想的な嵐グルーヴだと思うのです。
オールドソウルマナー+21世紀的ブラッシュアップ感という点ではダフトパンクにも通じるモノがあるし、SMAPの「しようよ」や「たいせつ」に近い路線(曲調は違うけどね)とも言える。
しかし、個人的には「ナイスな心意気」の超進化系ではないかとも思うのです。
兎にも角にもこの曲、嵐マイベストを作るなら是非ピックアップしたい1曲だと断言できます。






結果的にこのシングル、4曲がワンパッケージのコンパクトEP(昔のアナログシングルにあった4曲入りのヤツねww)だとすれば、ヴァラエティとバランスが絶妙な好盤だと思うのです。





やっぱり、音楽ってチラ聴きじゃなくて真剣にちゃんと聴いてみないと解んないもんだな(笑)


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コメント一覧

デルフィス
cyber_yayoi様、ツイッターの方でもお世話になって...
http://funky-katsu.blog.ocn.ne.jp/musicmania/
「GUTS!」は細かく分解して聴くと色んな仕掛けがあって楽しいです。ただの元気のいい応援歌ではない拘りが感じられました。
「FLY」に関しては、私がもう少し乾いたタイプの曲が好きというのもあり、なかなか褒め所が・・・・(苦笑)でもインストは聴いているうちにハマってきます。
「君が笑えるように」は、久しぶりにいいバラッドだと思いました。美メロも極めると抗えないモンだなと(笑)
「Love Wonderland」でEarthかぁ・・・面白いimpressionです。確かにそんな匂いもありつつ、きちんと2014年の音にアップトゥデートしているトコロにスタッフの心意気を感じますよ。

新曲のレヴュー、相当辛口になりましたが(苦笑)良かったら読んでくださいませ。
デルフィス
moi-chan様、コメントありがとうございます。
http://funky-katsu.blog.ocn.ne.jp/musicmania/
お返事が遅くなって申し訳ありません。
ご愛読いただいているとのことで、とても嬉しく思います。
最近の嵐のシングルは、通常盤のカップリングに名曲が頻出していて本当に楽しいです。初回盤じゃなくて、ずっとショップにある方にいい曲が多いのは幸せなコトだと思うのです。
嵐の楽曲は下敷きが透けていてもちゃんと新しい意匠が付け加えられていたりするのが魅力だと思います。だから、「誰も知らない」には思わず辛口になってしまって(苦笑)
また遊びに来てくださいね。

cyber_yayoi
すみません、間違えがありました。「君が笑えるよ...
すみません、間違えがありました。「君が笑えるように」の大野さんソロ部のところは「すてきな すてきな」でした。
cyber_yayoi
こんばんは!Twitterのフォローどうもありがとうご...
確かに GUTS!は何度も聞くうちに不思議なことにどんどん気持ちの良い曲になってきますよね。アラビアンテイストのところや曲の途中の「僕らはさけーぶ」と伸ばした後に畳みかけるように続く「VIVA青春」のところなど、気持ちいいと思えるツボが曲のあちこちに埋め込まれる感じがします。

FLYのインストはおっしゃっる通りほんとにカッコよくて、個人的にも好きな曲調なのですが、ただ、Twitterでもちょろっと書きましたが、歌詞の「Baby見つめているよ・・」「Tell me 聞かせてくれよ・・」のところがどうも昭和歌謡曲チックに聞こえてしまいその点が気になります。メロディの印象でそのように聞こえてしまうのか、それとも歌詞の内容からそう聞こえるのでしょうか。。

ほんとに「君が笑えるように」はひたすら美しいですよね。大野さんソロ部の「さよなら さよなら」の歌い方がどハマりです。

「Love Wonderland」は出だしのギターのカッティングから印象的ですよね。追いかけあうようなパート割やコーラスや軽快なリズムとか、とにかくのれる楽しい曲で Earth Wind & Fire を思い出しました。途中で曲調がかわるところが適度な緊張感を出していて、そのあたりも好きなところです。

来週は早くも次のシングルの発売ですね。新曲のレビュー、楽しみにしています!
moi-chan
デルフィス様
いつもレビューを楽しみにしています。愛読してます!
今年も、嵐の楽曲についてなるほどと感激しながら拝見させていただいております。
レビューを読ませていただき、GUTS!のカップリング、最近は通常盤を買ってなかったのについ買ってしまいました!
地元のCDショップに貢献できました(笑
今年リリースした嵐の楽曲は過去に出した曲の進化系かな??
(Bittersweetはラブソーの大人バージョン?とか、)と感じていましたが、
Love wonderland,「ナイスな心意気」の超進化系、あーなるほど、
と思ってしまいました。
嵐はメインの曲がどうしてもドラマ主題歌になってしまうので、
カップリング曲のほうが聞くのが楽しみです。
デルフィス
ジュンママ様、コメントありがとうございます。
http://funky-katsu.blog.ocn.ne.jp/musicmania/
この曲に関しては、サラッと1回聴き流しただけでは感じ取れない部分が多く、ポップな曲調の印象と違って非常に奥が深い、手の込んだ仕掛けが多い曲だったと思います。転調の多用もソレを感じさせない流れの組み立て方も素晴らしい。
是非、カップリング共々楽しんでいただきたいシングルであったと思います。
ジュンママ
こんばんは(*^_^*)
深夜に失礼します。

今回のGUTSに関するコメントありがとうございます。

私も最初聞いたときに、「う???」と思ったのは確かでした。
軽いと私は感じてしまったのです。
しかし、CDを買い、MVを聞いて、ガツ―ンとやられました。

それからは、何度聞いたことか(笑)

カップリイングの曲をまだ聞いていないという・・・
(今回の批評を読ませてもらって、聞かなきゃと反省しています)

聞けば聞くほど味が出てくる曲だなあ~というのが、私の感想です。
青春の明るい曲なのに、どこかマイナー調で、そこがまた好きです。

今回も批評ありがとうございました(#^.^#)

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