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2016モデルからFOXのフォークのエアースプリングのボトムアウトの抵抗力の調整はこの樹脂のスペーサーの増減で行うようになりました。
とても分かりやすくていいと思います。
以前はエアーピストン上部に潤滑、密閉性を確保するために粘度の高いオイルを入れており、その量を増やしてボトムアウト耐性をコントロールしていました。
これだと分かりにくいですし、入れすぎるとエアー室が破裂(エアーピストンのシールが耐えられずオイル漏れ起こす)するので、プロのみ可能な技でした。
しかし、この樹脂のスペーサーは副産物でしかないのです。
本当の理由は今までリバウンドスプリングは金属のコイルスプリングだったのを、軽量化のため、どのような体重の人に対しても一定のリバウンド側スプリングの強さを保つ為に、エアースプリングで自動調整するように変更されました。
ちなみにROCKSHOXのソロエアーも同様のシステムです。
この自動調整というのは聞くと凄いことをしていそうですが、実際は非常に単純なシステムでして、インナーチューブ内側に縦に1箇所溝を掘っておき、フォークが伸びきった時にピストンシールがその溝の真ん中に来るようにすることで、ポジティブ側とネガティブ側を伸びきった時のみつなげてしまうようになっています。
沈み込み始めれば当然ポジ室とネガ室はセパレートされますのでスプリングはきちんと効きます。
そして伸びればまたつながって自動的に同じエアー圧になります。
しかし、その構造であるが故に今まで使っていた高粘度のオイルが使えない(重力でネガティブ側に全部落っこちちゃいますからね)ため、今回からグリスになりました。ROCKSHOXも同様です。
で、オイルを増減する方法が使えないので樹脂のスペーサーを入れるようになったと言う訳です。
このスペーサー1個がちょっと大きいので、手前のものは半分にぶった切ってあります。
ちょっと調整するときはこれを使います。