きみの靴の中の砂

ぼくは少し緊張するのだった


(op.20250202-2 / Studio31, TOKYO)

 

 

 年ごとの夏の終わり、ふと心に沸き立ち、何度も繰り返されてきた想い。

 それは、夕暮れの避暑地の古いホテルのテラスだったり、はたまた早朝、狭小な海峡を見下ろす急な坂道を降っていた時だったり、あるいは、陽が落ちて街に火が灯り、どこからかロッシーニの序曲でも聴こえてきそうな南欧のとある湖畔でのことであったり...。

 晩夏、きみのその白いリゾート・ドレスの襟元から覗く、日焼け跡のマーブル模様の肌が、そろそろ吹くだろうこの秋最初の風を予感させる。

 振り向きざまに、「この夏もこれでお終いね」ときみが言い出しでもしないかと、ぼくは少し緊張するのだった。

 




【Juice Newton - Love's Been A Little Bit Hard On Me】

 

 

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