『クロック・ムッシュ(Croque-monsieur)』や『クロック・マダム(Croque-madame)』、イングランドの『ウェールズの兎(Welsh Rabbit)』など、ヨーロッパ各地に伝わる、いわゆるチーズトーストには、それぞれに伝統的で奇妙な名前を持つものが少なくない。日本の『猫まんま』も同じ仲間だろうか。
と言うわけで、遅く起きた週末。
前夜、飲み過ぎていない限り、ぼくがブランチを作る。
いつものように、
「今朝は、なに食べますか?」と未だ睡眠中のイチ子さんに問うと、
「今朝は食べたくない」と答えるか、あるいは、
「クロック・マダム」と答えるのが常だ。それは、目玉焼きを作る手間が多い分、ぼくには多少面倒なのだが、彼女にとってそれ以外のメニューは、はっきりと目覚める前の頭には即答しづらいというのが真相のようだ。
【Carol Douglas - Doctor's Orders】