きみの靴の中の砂

英語が話せない

 

 

 沖縄には父親が白人のアメリカ人、母親が日本人という子供が珍しくなくいるが、二、三十年前は今より更に沢山いて、県内で普通に就業していた。
 ハーフと言っても母親の遺伝子を多く引くと日本人寄り、父親似だと白人寄りの顔立ちになるのだが、父親の血をもっと色濃く引くと、どう見ても(まったく)白人にしか見えない場合がある。それは、大人になって外国からの観光客も泊まるホテルに宿泊することがあると、チェックインの時に英語で話しかけられてしまうというレベルだ。肌が白く、髪は金色で目が青ければやむをえない。ところが彼等は、アタシ等同様英語が不得手というか、話せない。

 沖縄には観光客も滅多に迷い込まない、地元の街の商店街がある。高校の放課後にそういうところの喫茶店に入ると、子供達が溜まっていて、ここはアメリカかと思わされることがある。この絵のモデルも金髪碧眼だが、日本語を流暢に話していた。

 

 

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