きみの靴の中の砂

遠く深夜急行の警笛も聞こえてきそうな...





 例年どおり平穏な世の中なら、街に最初の南風が吹こうという頃、時間も遅くなった電車から、送迎会の帰りでしょうか、思いの込められた花束を持って降りてくる人を見かけます。それは、その人がその夜のパーティーの主役だったことを教えています。

 そういえば、いつだったかの冬の日、理由を明かさないまま仕事を辞めて、生まれた北国へ帰っていったきみは、あれから変わることなく元気に暮らしているでしょうか。

 遠く深夜急行の警笛も聞こえてきそうなこの時間、きみは安心に包まれた深い眠りの中にあるでしょうか。




【Daryl Hall & John Oates - You've Lost That Lovin' Feeling】

 

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