そんなわけで、水口イチ子とは、深夜の同じ時間帯に18丁目のバーでたびたび顔を合わすこととなった。 ぼくは、いつもフォア・ロゼズをストレートでやりながら小さなノートに掌篇のプロットを思い付き次第に書き込み、イチ子は、ハムサンドなどを摘まんではビールで飲み込み、ギャビン・ライアルやジョン・ル・カレを読みふけっていた。 Chad & Jeremy / Before & After