今年の東京の冬は、まだ霜の降りるような寒い朝はない。
建築技術の進歩で、昔のように寒々とした朝餉の食卓もなくなった。エアコンのない時代の木造住宅は灯油ストーブだけだったから、家の中でも吐く息が白い日もあった。
ところで冬の朝餉だが、旬の大根と油揚げの味噌汁の湯気をフーフー吹きつつ啜った頃が懐かしい。
母親の出身地によるものなのか理由は不明だが、具の大根を短冊に切るのか拍子木にするのか、家庭により分かれるようだ。うちは拍子木だったが、イチ子さんは短冊に刻む。食感が多少異なるが、辛みまでも微妙に違って感じられるのは気のせいか。
【Cliff Richard - Angel】