きみの靴の中の砂

マージービートが聞こえる





古い歌だ。

「好きだったの?」とぼく。
「うん。大学生の頃にね。リヴァプール・サウンドを日本語で再現するっていうのは、こういうことなのよ、きっと...」とイチ子。

 夕飯の後片付けが済んでからも、キッチンのきみのオーディオからは、日付が変わる頃まで、そのマージービートは聞こえていた。




The Good-Bye / マージービートで抱きしめたい


 

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