きみの靴の中の砂

マルセイユ港の検疫施設

 

 

 当時、マルセイユ港の検疫施設は千五百人を収容した。乗客は、そこで出航前の一週間を集団生活する。宿泊は安価ではあるが無料ではない。この捕虜収容所のような宿泊施設の役割は、その七日の間に何らかの疫病を発症する者がなければ、漸く無用なものとなった。もっとも、いくら出港時に健康であっても、アルジェに接岸すれば、まずほとんど例外なく上陸税のようにマラリアにかかったのではあるが...。

 

 

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