トマス・ピンチョンが久し振りに小説『メイソン・アンド・ディクソン(1997)』を上梓したとき、ニューズウィークだったかが「これ程までの天才文学者がいるアメリカを祝福しよう」のような絶賛記事を書いて大騒ぎしていた。日本のピンチョン研究の第一人者S氏だって、そこまで騒いでなかったように思う。まあ、その頃、稲垣足穂や澁澤龍彦に熱中していたぼくにとっても、ピンチョンじゃそこまで騒げなかった思い出がある。 【Juliana Pulido - どんなときも】