ベッドから出て、厚いカーテンを引く。途端に、薄いレースのカーテン越しに、淡い朝の光が部屋に溢れる。
チェストの上のＦＭラジオ。スイッチを入れると、古いポップスが聴こえてきた日曜の朝。
久し振りに午前中の予定はない。
昨夜、眠る前に、明日はゆっくり寝ていようとイチ子から言っておきながら、今朝は今朝で、もう目が覚めてしまったと、まだ眠っているぼくを揺り動かすその目的は何か。
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どうしてもとせがまれて焼いたパンケーキが五枚。ちょっと値の張る、カナダのクリアリーのメイプル・シロップをタップリとかける。
それはパンケーキに染み込む間もなく、一気に皿へ滴り落ちる。
ぼくにミルク・ティー、イチ子にはいつものカフェ・オーレを入れ、「さあ、起きよ！ 食べようじゃないか！」という今、まさか、イチ子は二度寝など始めてはいるまいな。
The Stone Poneys / Different Drum
