きみの靴の中の砂

正午に湯島聖堂で




 いつもどおりの潮騒が聞こえて、海に永遠の夏が覆い被さっているような午后のことだ。

「お互い、覚えていたら、来週の今日、東京でまた会いませんか」
 防波堤の焼けたコンクリートの陰で、知り合って間もないきみが言う。
「うん」と答えはしたものの、すぐに大変な賭けをしたことに気付く。
「来週の正午に湯島聖堂ではどうですか。本堂の中は涼しくて、待ち合わせにはいいかも」と彼女は小さく笑うのだったが...。



【ONCEMORES / I Need To Be In Love】

 

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