ぼく達の黄色好きは、いったい、いつの頃からだったか。 古い記憶をたどれば、黄色好きの本家はぼくで、イチ子は確かショッキング・ピンクなんかを好んでいたような覚えがある。 高校に入って気付くと、イチ子は進んで黄色を身に付けるようになっていて、以来、彼女は自称黄色好きを通しているけれど、もしかして『好み』をぼくに合わせているのかも知れない。確かめることもないまま、ぼく達は、今日も黄色を身に付ける。