「とうとう、三十になっちゃった」ときみが苦笑したのは、ついこの間のことだとばかり思っていた。 ところが今日、街中で久し振りに出会ったきみが「もう三十八よ」とささやく。 今を生きる人の時間感覚って、こんなものなんだろうか。