きみの靴の中の砂

眠気を誘うような時間が流れていた




 卒業した小学校の同窓会総会終了後のことだ。
 右側の恩師が構えているカメラは、左端の我が友ナミキ・ヒロミツ所有の Leica M3。露出計なし、レンジファインダーでの二重像合致式ピント合わせなど、今時からすれば撮影までの手順が難儀なカメラ。朝日を撮ろうとセッティングし、シャッターを押すと夕日が撮れる、というようなものだ。

 当時のお兄さん先生と生徒も四十年からの歳月を経るとこうなる。そしてカメラまでもが、その時代のものという偶然。

 眠気を誘うような時間が流れていた。



萩本欽一 / あ~ねむいなあ~


 

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