艦首に菊の紋章を頂く総ての軍艦に、航海安全、武運長久、戦勝祈願を祈る神棚が艦内神社として祀られた。各艦とも艦名にちなむ、地域で最も有名な神社が祀られる。
東京多摩地域に住む人でも旧海軍に『多摩』という軽巡洋艦が就役していたことを知る人は少ない。艦内神社は、武蔵国総社大國魂神社。
軽巡多摩は三本煙突の第一次大戦型の艦で、開戦時は既に人でいえば中年になっており、戦闘艦として太平洋の最前線に編成を受けることは稀であったが、それ故、戦争末期まで結構地味に貢献を続けた。
昭和19年12月、レイテ沖海戦終末の損傷により後方に下がる途中、フィリピン・ルソン島沖で米潜水艦の雷撃を受け沈没。全員未帰還となる。
この写真は大國魂神社境内にある、軍艦多摩戦没者慰霊碑 —— 撮影時、偶然にも写真右上から陽光が差し込み、帝國海軍軍艦旗が再現された。