いつだったか、イチ子さんと『人生をどう生きるか』を話題にしたことがあった —— 言わば人生の時間の有効活用についての話だ。
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お金は、運もしくは貯蓄の努力により変動的だが時間はそうじゃない —— お金も時間も、あり余る程あると使い方が雑になる —— 『時間』は一様に若い世代で、また一方『お金』は一部の高齢者の間で超バブルだ。
人生の残り時間のカウントダウンが耳に聞こえてくるのは、おのおのの置かれた状況にもよるが、定年延長も終了し、いわゆるリタイア状態になった頃がそのピークだろう。
人生に残された時間を如何に使うか。これについての考察は、イチ子さんによれば、二千年前のローマの哲学者セネカが論文にしているので、岩波文庫で読めば、自分の考える時間の大部分を端折れるので便利だそうだ。
お金が少なくなってきたら無駄遣いを止め、人生の時間が少なくなってきたら、自分のしたいことは優先順位の高い方から手を付け、どうでもいいことは総て後回しにしなさいというようなことが書かれているらしい。
残り少なくなってきた人生の時間の中で、『具体的に為すべき大事なこと』とは何か —— この答えは、さすがにセネカ先生の論考では言及されておらず、『それくらいは自分のその粗末な脳味噌で考えなさい』ということのようだ。
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「好きなように生きればいいんじゃないの?」とイチ子さんは言うのだが...。
【Kryptonim - Come On Let's Go】