きみの靴の中の砂

鉄道の一日旅

 

 容量1リットルの保温水筒を買った —— 中央本線を諏訪へ —— 各駅停車で日帰り旅を計画したのだ。
 
 座席が対面式の旧式車両 —— しかも下り方面進行方向左側の席に座わる。車窓から見える景色に価値があることは山歩きに慣れた東京人には定説だ。
 
 さて、水筒に何を入れよう...。
 
 冷やした白葡萄酒なら、詩人尾崎喜八のように切子硝子の小杯も布にくるんで持参したい。車窓で陽にかざせば、切子は光を集めて如何ばかりに美しかろう。
 
 あるいは英国の登山家風に、熱いアールグレイのミルクティーもいい。山上、孤高の人になったような気持ちになれるかも知れない。
 

 

【Average White Band - For You, For Love】
 
PVアクセスランキング にほんブログ村

最新の画像もっと見る

最近の「『ノート(Cahiers)』或いは、稿本『北回帰線の南』から」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事