きみの靴の中の砂

水口イチ子の納得のいく説

 

 

 欧米の古今東西、大作家の蔵書数を調べると、たった五百冊から七百冊くらいの人が散見されて意外だと水口イチ子が言う。

 蔵書の多寡で計れるのは、その人の財力であって知識量じゃない。もっと言えば蔵書の一冊を無作為に選んで、その内容を記憶から要約できなければ、それは読んでないのと同じでゴミ屋敷のゴミのようなモノじゃない? ゴミの量を誇ってどうしようって言うの? —— とからかいたいようだ。日本人の美徳『もったいない』も事と次第に寄るということのようだ。

 読書のプロの『五百冊から七百冊くらいの蔵書』の内容は、再読するたびに幸せになれるか、読むたびに新しい発見のある『現在も消化中』のものか、いずれにせよ何回も何回も読み返しているはずで、七百冊 × 三十再読と仮定すれば二万冊くらいに相当するんじゃないかしら、と納得のいく説であった。

 



【Gladys Knight and The Pips - Midnight Train To Georgia】

 


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