きみの靴の中の砂

バナナチップス日和

 

 

 ところで、首都ワシントンD.C.のコロンビア・ハイツに、太古に隆起した海岸段丘があって、昔そこに暮らしたインディアン達は自分達の部落をマンナハッタと呼んだそうだ。それが所を移し、なまって、今日のニューヨーク・マンハッタンになったという。

 さて、今日、休日の午後、ピクニックがてらセントラルパークまで足を伸ばした。

 先週、アパートメントの隣に住む、ロシアの文豪トルストイ似の爺さんが自ら揚げたという『バナナのチップス』と、アメリカン航空でパイロットをしている友人コールくんのフライト土産、ケニヤ産の『緑のお茶』という名前ながら煮出せば真っ赤な色のお茶をサーモスに入れて持ってきた。味から推測するに南アフリカの一部に自生するルイボスを移植したもののようだ。多少酸味は抑えられている。

 セントラルパークもこの辺りには、マンナハッタの時代の人達が狩猟で駆け巡った頃の雰囲気が残る。
 跳躍するリスが、半ば餌付けされたように『彼等』の方からベンチのまわりに近寄ってくる(リスって男性名詞、それとも女性名詞、どっちで受けるんだったっけ!?)

 ベンチにもたれて見上げる空。
 パレードでもやっているのだろう。遠くでブラスバンドの音が聞こえる。

 ふと、「天使なんてどこにだっているさ」、なんて思ったりする。とりわけ、こんなバナナチップス日和の午後には...。

 

 

 

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