きみの靴の中の砂

ニューヨークの屋台焼きそば

 

 

 日曜日の昼時。

「ランチは焼きそばでいい?」 イチ子さんが聞く。
「ソース味?」
「まだ、決めてないけど、多少はお好みに添えるかと...」
「じゃあ、昔、ニューヨークで食べた、屋台のチャーミェーンみたいなの出来る?」
 イチ子さんがキッチンで小さく笑うのが聞こえる。

 それから十数分後、ニューヨークのテイクアウト風、つまり、フォークで食べ易いように麺がコテで五センチ程の長さに寸断された五目餡かけ中華焼きそば —— それが底の深い器に盛られテーブルに載る。

「刻んだ焼きそばって初めて見たとき、ビックリしたよね」とイチ子さんが笑う。

 

 


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