きみの靴の中の砂

味気なく偽善的なストロー





 さて、学生生活を終えてだいぶ経つというのに、八月になると夏休み気分はいくつかの想い出と共に毎年忘れることなく戻ってくる。

 そんな折、午後の街の閑散としたカフェの椅子に腰をおろし、例えばアイスココアなどを飲みながら考えることと言えば ----- 誰が味気なく偽善的なストローを考案したのか、など。全く上品に育ったあの人以外、それが似合う人をぼくは他に知らないのだが...。

 今更ながら積乱雲のように沸き立つ想い ----- あれらの日々の出来事を、ぼくは一口の飲み物と共に飲み下してしまおうと企む。

 遂に喉を目がけて落下し始めた液体 ----- その夏の夢語りにあった熱気が、未だ口先に置き去りにされたままだというのに...。




【Peter Frampton / Show Me The Way】


 

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