きみの靴の中の砂

Young Girl

 

 

 江戸時代、島津藩は、領内である奄美大島の住民に島民である証しに、名字はひと文字にするよう強要した。明治政府になって、姓を再申告するにあたり二文字に戻した家もあれば一文字のままにした家もあった。
 しかし、本土では伝統的なものを含めても一文字姓は少ない。加えて名前も年代・時代的なもので今ではめずらしいとなると、同姓同名は、まずほとんどいないと思われる。

 今朝、何気なく自分のInstagramのフォロワーをチェックしてみたら、その中に、その名前を見つけた。最近、フォローしてくれたようだ。もし、それがその人だったとしら、彼女は遂に結婚しなかったか、離婚して旧姓に戻ったかのどちらかしか考えられない。

 今から半世紀前、東京と埼玉の高校を卒業したばかりのふたりは、もし、三十才を過ぎてもお互いにまだ独身だったら結婚しようじゃないかと口約束して保険をかけた。
 彼女はアテネフランセでフランス語を勉強していたし、ぼくは江古田にある芸術系の大学で、今と何ら変わらない駄文を書き始めていた。

 その後、お互いに学業が忙しくなって、いつの間にか音信は途絶えた。

 


【Gary Puckett & The Union Gap - Young Girl】

 

 

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