きみの靴の中の砂

自分のためだけにする作業

 

 

 歳をとると次第に根気がなくなってくる。飽きっぽくなると言うか、段々物事が面倒臭くなってくる。芸術家が歳をとると、大作を避けるようになる理由はそれで、人はそれを『才能が涸れた』などと言うが、実は涸れてもいなけりゃ、枯れてもいない。

 毎日チョットずつ、時間をかけて創ってもイイというのなら兎も角、一気にやれと言われると歳をとってまでそんな苦労は嫌だから、カメラを持って小旅行にでも出たくなる。

 旅の後、写真のデータを整理して遊ぶくらいの負担がちょうど良く、面白味も多い。そういった『自分のためだけにする作業』の質が上がるのは当然の話で、世の中では常識の『締め切り』の存在が作品の質を低下させる。

 

 

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