きみの靴の中の砂

きょうは海に行くしかない

 

 

 日盛りに吹く海からの風に取分け愛着がある。気圧の配置によっては、波にとって更に追い風になる。

「いい波が来てるってよ」とイチ子さんがキッチンからビーチFMの情報を伝えてくれる。振り向くと、
「きょうは海に行くしかないね」と言いながら、コストコで買ってきた二、三種類の豆の缶詰を開けている。
「夕飯はチリ・ビーンズよ。楽しみでしょ? チリ、いっぱい入れとくからね...」
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 土曜日だから駐車場が近いポイントは、東京から来るサーファーらで混む。こんな日は、車では不便な小さな浜へ自転車で行くのがいい。シャワーや脱衣所の設備が無い浜は、ロコの独占状態になる。

 その前に自転車のタイヤの空気圧を確認しよう。
 ぼくは腰を上げると、庭に向いた縁側のガラス戸を開け、雨ざらしでヨレヨレになったビーサンに足を突っかけた。

 

 
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