きみの靴の中の砂

風待ちのカタマラン(双胴艇)





 ボラボラ島はヴァイタペの街はずれでのことだ。

 昼下がり。

 今、スケートボードほどのオマール海老を引き摺って少年が通りかかる。
 先程は、ココ椰子の実を手押し車で運ぶ娘もいた。

 ここはジェームズ・ミッチェナーが”Tales of the South Pacific”を書いた頃から、いったい、どれだけ様変わりしたというのだろう。

 時間がゆっくりと過ぎる。

 ラグーンの風は日暮れまで動く気配はない。




【Roger Nichols And The Small Circle Of Friends / The Drifter】


 

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