こどもの頃、気が付いたら
庭に、三毛猫が 棲んでいました。
飼っていたわけではないのです。
いつ、どこから来たのか わからないけれど、
物心ついたときには、いたのです。
そして、わたしの10代のほとんどを一緒にすごしました。
庭で、家族写真を撮ると、後ろの方に かならずのように
三毛も一緒に写っています。
我が家に来るまでに、よほど酷い目にあったらしく、
決して触らせてはくれませんでした。
それでも後半の、寒い朝には、わたしが 玄関のまえに立っていると、
あしもとに少しだけ纏わってきました。
(それでも、触らせてはくれません)
人恋しいときもあったのかな…。
わたしが社会人となり、ひとり暮らしをはじめた ある朝、
三毛は、我が家の庭の畑で つめたくなっていました。
(家族から、そう聞きました)
三毛猫がいなくなって、天井裏に鼠が出るようになりました。
「誇りたかき」 三毛に、わたしは そう冠をつけてあげたいのです。
(写真は、ハツユキカズラです)