1964年、ニューヨーク・ブロンクスにあるカトリック学校、セント・ニコラス・スクール。
厳格な校長シスター・アロイシス(メリル・ストリープ)は旧来の道徳心や信仰心を
重んじており、一方フリン神父(フィリップ・シーモア・ホフマン)は現代に合った
開かれた教会を目指し生徒達からの人望も厚い。
そんなある日、日頃からフリン神父が目をかけている黒人生徒ドナルドと神父の間に
“不適切”な関係があるのではないかという疑惑が持ち上がる。
神父は事実無根と否定するが、革新的な考えを持つ神父を快く思っていなかったシスターは、
何の確証もないまま執拗に神父を追い詰めていく。
2大オスカー俳優の壮絶な舌戦が見もの

今年のアカデミー賞も、受賞こそ逃したものの主演女優賞・助演男優賞・
助演女優賞・脚色賞の4部門に5名がノミネートされたんですってね

シスターのメリル・ストリープ、神父のフィリップ・シーモア・ホフマンはさすがの貫禄

メリル・ストリープは『マンマ・ミーア!』の自由奔放ではじけたドナと同じ人とは
絶対に思えない!!女優ってすごい(笑)
フィリップ・シーモア・ホフマンは、私の大好きな『セント・オブ・ウーマン』と言う
映画に、こずるいけどどこか憎めない主人公の同級生役で出ていて、何とも言えない
存在感が印象的だったんですが、おじさんになってからは初めて見ました(笑)
今回も、怪しいんだか怪しくないんだか全然読めない、見事な神父を演じていて、
昔感じた印象は間違いじゃなかったなと思います

そんな中にあって、ヴィオラ・デイヴィス演じる黒人生徒の母親が非常に切なく、
胸に迫るものがありました
ストーリー的には、最後まで真実は明らかにならず、見終わった後もモヤモヤした感じを
引きずりましたが、結局のところ、何が真実かと言うことが問題なんじゃなくて、
人は一度疑惑を持つと、たとえ確信がなくともその猜疑心に支配されてしまうんじゃないか、
と言うことなんですかね
少し難しい映画でしたけど、シスターVS神父の対決は鬼気迫るものがあって
それだけでも観て良かったと思う1本でした