7/18 山形市民会館 9列
一、玉兎
二、仮名手本忠臣蔵 祇園一力茶屋の場
三、太刀盗人
年に1度の歌舞伎巡業
去年は勘三郎さん襲名披露公演で、それは幸運にも歌舞伎座で
見ることが出来たので、山形での歌舞伎鑑賞は2年振り
今年は中村吉右衛門、市川染五郎と言う超豪華な顔ぶれで、
鬼平好き・新感線好きの私としては本当に楽しみな公演となりました
特に『仮名手本忠臣蔵 祇園一力茶屋の場』は圧巻でした
忠臣蔵はやっぱりお話も分かりやすいので、歌舞伎と言えども
そんなに堅苦しく考えないでお芝居に入りやすいし、特に今回の
『祇園一力茶屋の場』は忠義心や兄弟愛がテーマになっているので、
日本人の琴線に触れる、お芝居の真骨頂って感じなんでしょうかね
お話は、仇討ちの計画を敵に悟られないようにわざと祇園の遊郭で
遊び呆けている大星由良之助(=大石内蔵助・吉右衛門)が、仇討ちの
密書を読んでいるところを遊女おかる(中村芝雀)に見られてしまう。
そこへおかるの兄寺岡平右衛門(=寺坂吉右衛門・染五郎)が仇討ちに
加えてもらおうと現れ、おかるが由良之助の密書を読んでしまったことを
知り、妹を手にかけてでもそれを手柄に仇討ちに加わりたいと考え、
その思いを知ったおかるは兄のために自らの命を差し出そうとする…
登場人物それぞれの、様々な思惑が入り乱れる切ないお話で、
特におかるを演じた中村芝雀さんのお芝居が私の胸に響きました
由良之助からの身請けの申し出に喜んだり、久しぶりに兄に再会したり、
その兄から父と夫の死を知らされたり、兄のために自分の命を差し出したり…
とにかくこのお芝居では、おかるの気持ちが一番揺れ動いていると
思うんですが、どの感情の場面も決して大袈裟でなく見てる側に伝わって
来たと言うか、いつのまにか感情移入してお芝居に見入ってました
もちろん、忠義一筋の由良之助を演じた貫禄の吉右衛門さん、
忠義と妹への思いの狭間で苦悩する平右衛門を演じた染様は本当に素敵で、
とても見応えのある舞台でした
歌舞伎って敷居が高いイメージがありますけど、実際見てみると本当に
素晴らしくって、日本が誇る文化だと思うんですよね
これからも機会があればぜひ見ていきたいなぁと思います