3/20 川西町フレンドリープラザ H列
<作>井上ひさし
<演出>鵜山仁
<出演>岡本健一 山西惇 甲本雅裕 辻萬長
田根楽子 馬渕英俚可
昭和5年春。東京帝国大学に入学した津島修治(岡本健一)は郷里津軽を離れ、
高田馬場の下宿で学生生活を始め、そこで生涯の友・帝大生の佐藤浩蔵(山西惇)
と早大生の山田定一(甲本雅裕)と出会う。
夢と理想に燃え政治運動に力を注ぐ3人だったが、時代の流れとともに、
津島は太宰治として小説家の道へ、山田は新劇の俳優の道へ、佐藤は信念を貫き
活動家として、それぞれ違う道を歩み始める。
戦前、戦中、戦後と時代の波に翻弄され、否応なく世界が変わっても、
決して変わらない絆で結ばれた3人の、長きに渡る友情の物語。
川西町フレンドリープラザは、井上ひさしさんの故郷である川西町にある劇場で、
2004年、流山児☆事務所の『心中天の網島』以来2回目。
その時は帰りに迷ってえらい目にあったので(笑)、今回は
下見をして準備万端
お話は小説家・太宰治の半生を描いた物語。
お芝居は、太宰の代表作『人間失格』の冒頭になぞらえて、
“私は、その男の写真を六葉、見たことがある。”から始まり、
舞台の両脇に飾られた6枚の写真を軸に進んで行きます。
とにかく役者さんたちの芸達者ぶりには感動しました
岡本さんはホント綺麗な人でしたね~
その綺麗な儚い感じが、自殺未遂を繰り返し退廃的と言われた太宰に
ぴったりだったんじゃないかと思います。
山西さんも甲本さんもよくテレビで見る役者さんですが、舞台だとやっぱり
迫力が違って新鮮な感動でした
特に、『相棒』好きな私にとっては“暇か?”でお馴染みの山西さんだったんですが、
さすが舞台俳優、声が良く通ってセリフも聞きやすかったです
辻さんはNODA・MAPの『キル』(97年度版)をテレビで見ましたが、今回は
とてもコミカルな演技で、3人の友情の物語にちょっと違う風味が加わって
さすがの存在感でした
そしてなんと言っても素敵だったのが女優のお二人
お二人ともそれぞれ7役ほど演じ分けていたようですが、その時その時で
全然違うキャラクターが本当にいきいきして見えました
特に馬渕さんは歌にダンスに大活躍!彼女が出ているシーンは彼女に目が釘付けでした
お話の内容も、“人間失格”な弱い太宰を優しく温かく見つめる視点で描かれていて、
みんな一生懸命生きているんだなぁと思わせてくれました
そして大好きなカーテンコール(笑)
今回は大楽なのにお客さんもずいぶんあっさり帰り始めてしまって、結局1回だけ
もっと舞台の上に拍手を送りたかったのになぁと少々不完全燃焼
キャストの皆さんも拍子抜けしたんじゃないかしら…と心配だったんですが、
馬渕さんのブログで、米沢牛で豪華に打ち上げされたようで少し安堵
それにしてもちょっと勉強不足でした、私
太宰治なんて読んだことあったかな?『走れメロス』ってどんな話だっけ?
そんな状態だったので
今更ですが『人間失格』を読み始めました。
読み終わる頃には、もう少し深くこの舞台のことも思い返せればいいんですが