16世紀のイングランド。新興貴族のブーリン家は一族繁栄のため、世継に恵まれない
国王ヘンリー8世(エリック・バナ)に長女アン(ナタリー・ポートマン)を愛人として
差し出すことを目論む。しかしヘンリーが惹かれたのはすでに結婚していた妹の
メアリー(スカーレット・ヨハンソン)だった。
一家は宮廷に移り、メアリーはヘンリーの寵愛を受け彼の子を身篭り、アンはイングランドで
もっとも裕福な領主の跡取りヘンリー・パーシーと秘密裏に結婚。しかし貴族間の結婚は
王に決定権があり、それは許されない結婚だったため、アンはフランスへ追放される。
ところが、メアリーが妊娠によって体調を崩したことでヘンリーの彼女への興味が薄れ始めたため、
フランスからアンを呼び戻し、ヘンリーの気持ちをブーリン家に繋ぎとめようとする。
やがて、ヘンリーはフランスで洗練された美しさを手に入れたアンに心惹かれるようになり、
アンは自分の幸せを奪ったメアリーへの復讐と野望を胸に、王妃の座を手に入れようと計画する。
ネタバレあります
簡単に言ってしまえば、美しく野心家の姉・アンと、清純で気立ての良い妹・メアリーの、
一人の男を巡るドロドロの愛憎劇なんですが…
その男がイングランド国王で、それぞれがそれぞれの思惑や野望を抱え、政治的・宗教的な
背景や陰謀も絡んで、非常に複雑で非常にドラマティックな物語でした
『マリー・アントワネット』しかり、『クイーン』しかり、歴史に基づいた物語って、実際にあった
出来事だからこそ余計に胸を締め付けられる感じがして私は好きです
ブーリン家の姉妹も、富と名誉を手に入れようと必死な家族や、絶対的権力を持つヘンリー8世に、
世継を望むイングランド国、そしてお互いに対する羨望や嫉妬の気持ちにまでも翻弄されて、
波乱に満ちた激動の人生を歩んで行くことになります。
姉妹だからこそ、愛して憎んで傷つけて許して。
でも、アンもメアリーも、その時その時の自分の立場を理解し、葛藤し苦悩しながら懸命に生きていて、
そんな聡明で力強く凛々しい姿を見せてくれたナタリー・ポートマンとスカーレット・ヨハンソンが
本当に綺麗で素晴らしかったと思います
特にナタリー・ポートマンの、時には無邪気で時には悪魔みたいな芯の強い顔が印象的
メアリーを裏切ってヘンリーを手玉に取るあたりは憎らしいほど嫌な女と思ったけど、
王妃に登りつめてもヘンリーの気持ちは離れ世継を産めず追い詰められて行くアンは
本当に哀れで痛々しく私も完全に翻弄されました(笑)
それと、心に残ったシーンがもう1つ。
密告によりアンと弟のジョージが近親相姦と国家反逆の罪で処刑されることになり、
それを知った母親のレディ・エリザベス・ブーリン(クリスティン・スコット・トーマス)が
夫のトーマス・ブーリン卿(マーク・ライアンス)の頬を思いっ切り引っ叩く場面。
言葉では到底言い表せない母親としての無念さを感じて、ぐっと来ました
それに、ヘンリー8世を筆頭に男性陣はずいぶんと不誠実で情けなく描かれてました
実際のヘンリー8世は有能な君主だったそうで、エリック・バナも素敵でしたが、
この映画のヘンリー8世はダメ人間でしたね(笑)
おかげで女性達の“強さ”が際立って、共感できる部分も多かったのかも知れませんが
それにしても、ここまでたくさんの人を巻き込み傷つけてまで男子の世継を望んだイングランドを、
後にアンが産んだエリザベス1世が長い間統治することになるのは、なんとも皮肉な運命だと思います…
国王ヘンリー8世(エリック・バナ)に長女アン(ナタリー・ポートマン)を愛人として
差し出すことを目論む。しかしヘンリーが惹かれたのはすでに結婚していた妹の
メアリー(スカーレット・ヨハンソン)だった。
一家は宮廷に移り、メアリーはヘンリーの寵愛を受け彼の子を身篭り、アンはイングランドで
もっとも裕福な領主の跡取りヘンリー・パーシーと秘密裏に結婚。しかし貴族間の結婚は
王に決定権があり、それは許されない結婚だったため、アンはフランスへ追放される。
ところが、メアリーが妊娠によって体調を崩したことでヘンリーの彼女への興味が薄れ始めたため、
フランスからアンを呼び戻し、ヘンリーの気持ちをブーリン家に繋ぎとめようとする。
やがて、ヘンリーはフランスで洗練された美しさを手に入れたアンに心惹かれるようになり、
アンは自分の幸せを奪ったメアリーへの復讐と野望を胸に、王妃の座を手に入れようと計画する。
ネタバレあります
簡単に言ってしまえば、美しく野心家の姉・アンと、清純で気立ての良い妹・メアリーの、
一人の男を巡るドロドロの愛憎劇なんですが…
その男がイングランド国王で、それぞれがそれぞれの思惑や野望を抱え、政治的・宗教的な
背景や陰謀も絡んで、非常に複雑で非常にドラマティックな物語でした
『マリー・アントワネット』しかり、『クイーン』しかり、歴史に基づいた物語って、実際にあった
出来事だからこそ余計に胸を締め付けられる感じがして私は好きです
ブーリン家の姉妹も、富と名誉を手に入れようと必死な家族や、絶対的権力を持つヘンリー8世に、
世継を望むイングランド国、そしてお互いに対する羨望や嫉妬の気持ちにまでも翻弄されて、
波乱に満ちた激動の人生を歩んで行くことになります。
姉妹だからこそ、愛して憎んで傷つけて許して。
でも、アンもメアリーも、その時その時の自分の立場を理解し、葛藤し苦悩しながら懸命に生きていて、
そんな聡明で力強く凛々しい姿を見せてくれたナタリー・ポートマンとスカーレット・ヨハンソンが
本当に綺麗で素晴らしかったと思います
特にナタリー・ポートマンの、時には無邪気で時には悪魔みたいな芯の強い顔が印象的
メアリーを裏切ってヘンリーを手玉に取るあたりは憎らしいほど嫌な女と思ったけど、
王妃に登りつめてもヘンリーの気持ちは離れ世継を産めず追い詰められて行くアンは
本当に哀れで痛々しく私も完全に翻弄されました(笑)
それと、心に残ったシーンがもう1つ。
密告によりアンと弟のジョージが近親相姦と国家反逆の罪で処刑されることになり、
それを知った母親のレディ・エリザベス・ブーリン(クリスティン・スコット・トーマス)が
夫のトーマス・ブーリン卿(マーク・ライアンス)の頬を思いっ切り引っ叩く場面。
言葉では到底言い表せない母親としての無念さを感じて、ぐっと来ました
それに、ヘンリー8世を筆頭に男性陣はずいぶんと不誠実で情けなく描かれてました
実際のヘンリー8世は有能な君主だったそうで、エリック・バナも素敵でしたが、
この映画のヘンリー8世はダメ人間でしたね(笑)
おかげで女性達の“強さ”が際立って、共感できる部分も多かったのかも知れませんが
それにしても、ここまでたくさんの人を巻き込み傷つけてまで男子の世継を望んだイングランドを、
後にアンが産んだエリザベス1世が長い間統治することになるのは、なんとも皮肉な運命だと思います…