ローマ法王の逝去に伴い、新しい法王を決めるべくヴァチカンに集まった枢機卿たち。
投票により次の法王が決められるが、皆自分が選ばれないようにと願っている。
何度も続けられた投票の末に、メルヴィル(ミシェル・ピッコリ)が新しい法王に選出される。
広場には法王就任を祝おうと人々が詰め掛けるが、法王就任の重圧に耐えられなくなった
メルヴィルは、就任演説を前にその場から逃げ出してしまう。
そんな事態を隠し続ける法王庁と、街をさまよい自分の人生や信仰心を振り返るメルヴィル。
やがて連れ戻されたメルヴィルは、ある決断と共に就任演説に向かう…ネタバレあります
またしても久しぶりの映画館
夏休みも終わって、そろそろ見たい映画も増えて来ました
これは前に見た映画の時に予告をやっていて、絶対見ようと思ってたもの。
やー、こんな映画とは思わなかったなぁ(笑)
予告では完全にハートフルコメディでしたよ
ま、途中まではコメディと言えばコメディでしたけど…
投票をしながら自分が選ばれないかびくびくしたり、新しい法王が決まったら
好き勝手なことを言い出す枢機卿たちとか。
メルヴィルの心のケアをするためにセラピストが呼ばれるんだけど、
これがまた無信仰で自分大好きなやつだったりとか。
メルヴィルが姿を消している間、のんきにバレーボール大会を開いたりとか。
人がこんなに重圧に押しつぶされそうで悩んでるのに、いい気なもんだ
と、まるで自分が法王に選ばれたみたいにメルヴィルに感情移入して見てしまいましたね(笑)
でも法王に就任する重圧から逃げ出したメルヴィルは、結局法王になる決心をすることが
出来なかったのです
広場を埋め尽くす大勢の信者の前に立ったメルヴィルが、自分には法王の重責は担えない、
この決断を許して欲しいと言い残して下がっていくところで映画は終わってしまいます
『え!?これで終わり!?』
って言うのがその時の正直な感想
普通はいろんな出来事があって、法王になる決心をするでしょ?映画なら(笑)
でも人ってそんなに強くないってことを言いたかったのかなぁ。
ホントのとこは良く分からないけど、ローマ法王と言ったら何十億と言う信者の頂点に立つ
ことになる訳で、ほとんど神様みたいな感じ?
自分がその立場に相応しい人間なのか、信仰に誠実であればあるほどその答えは見つからず
のしかかる重圧はどれほどのものかと、想像するだけで息苦しくなりそう
お気楽なハッピーエンドにはならず、もやもやの残った映画でしたけど
人間的なメルヴィルを演じたミシェル・ピッコリは素晴らしかったと思います