旧ズブロフカ共和国の国民的作家(トム・ウィルキンソン)は若い頃の思い出を語り始める-
若き日の作家(ジュード・ロウ)は休暇でグランド・ブダペスト・ホテルを訪れていた。
かつての栄華を失い、いまや宿泊客もまばらな寂れたホテルで、作家はホテルのオーナー、
ゼロ・ムスタファ(F・マーレイ・エイブラハム)に出会う。
貧しい移民から大富豪となったムスタファはオーナーとなった今でも一番狭い使用人部屋に
泊まるらしい。そんな彼に興味を持った作家に、ムスタファはこれまでの自分の生涯を話し始める。
ゼロ(トニー・レヴォロリ)がグランド・ブダペスト・ホテルのベルボーイとして働き始めた頃、
ホテルは華やかな雰囲気と沢山の宿泊客で溢れていた。それはひとえに伝説のコンシェルジュ、
グスタヴ・H(レイフ・ファインズ)の、マダム達の夜のお相手も辞さない完璧なサービスの賜物で、
多くの客が彼を目当てにホテルを訪れていた。
ゼロはグスタブからホテルマンとしての心構えを教わり、いつしか二人の間には信頼と絆が
生まれていく。
そんなある日、グスタヴと懇意にしていた上客の“マダム・D”が何者かに殺され、彼女がグスタヴに
『少年と林檎』と言う高価な絵画を遺したことから、マダム・D殺害の容疑者として逮捕されてしまう。
ホテルの威信を守るため、ゼロと共に事件の真相解明に奔走するグスタヴ。
二人に迫る警察、真犯人の魔の手、戦争…果たして結末は。
ネタバレあります
『鑑定士と顔のない依頼人』を見に行ったときの予告で面白そうだったので
でもこれも全然予備知識なく見に行ってしまって、もう少し予習してから行けば良かったかなと反省
まず、ジュード・ロウ出てることすら知らなかったっていうのが
あー、この人ジュード・ロウに似てて格好良いなぁホント似てるなぁ
てかジュード・ロウじゃない!!って心の中でツッコんでました(笑)
それにウェス・アンダーソン監督って、前に『ダージリン急行』見たことあるんでした
エイドリアン・ブロディとかビル・マーレイとかお馴染みのキャストのようですし、
ゆるくてシュールな感じは独特の世界観なのかも知れませんね
ホテルの外観や街並み、グスタヴとゼロがそりで奔走するシーンとかはオモチャみたいな可愛さで、
映画の中に度々登場する“メンデルス”のお菓子は甘くて美味しそう
そんな柔らかな雰囲気の中に突然現れる、切断された指とか生首とか(笑)
この不可思議さがクセになる感じなのです
そんな不可思議さだけじゃなく、グスタヴとゼロのお互いに対する愛情にも心を打たれます
時には親子のような、時には親友のような。
容疑も晴れてホテルに戻る二人ですが、その幸せで穏やかな生活は短いものでした
それでもゼロにとってグスタヴとグランド・ブダペスト・ホテルは大切な人生だったのでしょう。
ホテルのオーナーとなっても一番狭い使用人部屋に泊まるほどに。
シュールでハートウォーミング
素敵なホテルにまつわる、切なくて温かなお話でした