20数年も前、私は訪問販売のセールスマンをしたことがある。
マネージャーのウォルターは、私がオフィスに帰ってくると私を呼び、ひとつ頼みたいことがあると言った。
地図の上で私の担当地域を指差すと、何週間前にその地域を訪問したときに、買いそうな女性が一人いたと言うのだ。
そして「どの家だったかははっきり覚えていなが、端から訪問していけばいつか必ず見つかるだろう。探してみてくれないか」と
それなら簡単に売れると信じた私はマネージャーの話に乗った。
外に出て彼に教えられた地域で一軒一軒訪問し、そのたびに買いたがっている女性が必ず見つかったのだ。
マネージャーが言っていた女性は実は存在しなかったのだと気づいたのは、それから何年もたってからだ。
彼はその地域に行ったことすらなかった。
この話の興味深い点は、ウォルターの話を信じた私が、そのたびに必ず商品を売ったことだ。
私が売ることができたのは顧客がいると信じていたからにほかならない。
人の行動は「自分自身について信じていること」や「自分の能力や自分が住む世界について信じていること」と常に一致している。
「誰でもできるけど、ごくわずかな人しか実行していない成功の法則」