【現代思想とジャーナリスト精神】

忘れられた視点~分岐嶺

東京新聞フォロワーズ】
【私説・論説室から】

忘れられた視点
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2015年2月11日


 過激派組織「イスラム国」とみられるグループによる日本人人質事件は最悪の結末を迎えた。残虐非道な蛮行に怒りを禁じ得ない。
 政府の対応は適切だったのか、危険な紛争地域に入った二人は「自己責任」ではないのかなど、議論がかまびすしい。私たちの新聞も悩みながら報じ、論じてきた。答えは出ないのかもしれないが、考え続けていきたい。

 ただ、一連の報道や議論から、重要な視点が抜け落ちている、とも感じる。それは「イスラム国」支配地域やその周辺で、平穏な暮らしが脅かされている人たちの存在だ。
 伝えられるのは、斬首による処刑映像の公開や異教徒の奴隷化など、残虐な行為と過酷な統治である。支配地域から周辺国に逃れた難民は多い。逃れることができず、現地にやむなくとどまっている人も多いだろう。

 「イスラム国」台頭の背景には、欧米の大国による身勝手な振る舞いの積み重ねがあることは理解する。周辺国への支援は人道目的であっても、結果的に「イスラム国」との対決姿勢を示すことになることも否定しない。

 それでも、苦しむ人たちにこそ、手を差し伸べるのは人として当然だ。脅しにひるみ、人道支援をやめる愚を犯してはならない。

 憲法前文は「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免(まぬ)かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」と記す。いま一度読み返したい。 (豊田洋一)

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私見
 日本国憲法にたち帰るか
 日本国憲法から逸脱していくのか

 そこが分岐嶺だ

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