【現代思想とジャーナリスト精神】

【国民サイドの反安倍政権・独裁運動を内部から攪乱破壊している黒幕は「連合」だ】

【国民サイドの反安倍政権・独裁運動を内部から攪乱破壊している黒幕は「連合」だ】
~新潟知事選・衆院補選東京10区福岡6区を通じて見えてきたこと~
      
                   櫻井 智志

 衆院補選は、自民党本部というよりは、劇場型政治で小泉前総理なみのブームを起こしている小池百合子都知事の直接応援によって、若狭勝氏・鳩山二郎氏が圧勝した。安倍政権が支持されているというよりは、小池都知事の人気をうまく利用していることで、間接的なしかたでブームのような風が小池百合子-若狭勝、小池百合子-鳩山二郎、とそれぞれ票を集めた。

 自公サイドに対して、市民と野党共闘は、候補を一本化して取り組んだ。けれど、東京でも福岡でも、民進党はちぐはぐした選挙対応だった。野党が結集して合同顔合わせに、民進党代表がいない、時には候補さえその場にいない。はっきりいって、「負ける」ような不可解な言動が、福岡でも東京でも中継動画を見入っていて、不思議な雰囲気でしらけた場になってしまっていた。新潟で米山隆一氏を見事に当選させた共闘野党の共産党・自由党・社民党が、候補推薦をことわられ、野党共闘は実態としては空洞状態だった。

 私は、幹事長の野田佳彦氏がかなりの策謀を弄している、と判断した。事実そのような事実もあるし、良識あるジャーナリズムでも指摘されている。けれど、下記に掲げた資料のなかで孫崎享氏は、労働組合の巨大なナショナルセンター「連合」の反動的策謀を指摘している。巨大な資金と全国的な組合の動員力をもつ「連合」にさからうことは、財界のような資金をもたない野党議員には、選挙当選のはしごをはずされるに等しい。社会党が「総評」を背景に国会議員の三分の一は社会党、という時代もあった。政界激動で、新進党政権と自社さ政権と交代が続く過程をとおして、社会党は解体し、多くは民進党の前身、民主党にうつり、原則から転向しない議員が「社民党」を維持した。

 かつて「右派社会党」と「左派社会党」が統一して再度発足した社会党から、分裂したのが民社党。労組のナショナルセンター「同盟」が民社党を支えた。総評が社会党の基盤となった。戦後直後からの労働運動をたどると、労働三権を維持し民主的労組が全国の労組によびかけ、「二・一ゼネスト」さえ実施しそうな労働運動活性化の時期もあった。しかし占領軍GHQの指令で中止となった。「東宝争議」「読売争議」などさかんな労働組合運動の強さで「来なかったのは軍艦だけ」というほど労働者は、戦闘的だった。軍国日本の言論も食糧もすべて貧困にたえつづけた国民が、軍国主義の敗北で、空に青空をみた1945年。労働運動・労働組合運動で不十分な点があっても、日本の民主化を展望するあしどりだった。

 戦後史の現在、労組のナショナルセンターは、「連合」「全労連」さらに総評を受け継ぐ「全労協」がある。財界と繋がる「連合」は、個々の企業の労組は、労組幹部を経て管理職に登用されるコースがある。すべての連合の労組とは断定しないが、日経連、経団連、経済同友会などの全国的な経営者の団体は、政権を動かすほどの政治力ももつ。財界でもみな反動的というわけではない。佐高信氏は、政財界について研究し著作も多い。佐高氏が財界人について事実を見据えて紹介されている人物には、「連合」幹部よりもはるかにリベラルな人物像もあきらかにされている。ほかにも故・堤清二氏は、西武グループを経営するほどの財界人だが、資本主義企業の改善を唱えたり実行したりした。堤財閥の一員で、東大生の頃に一時期日本共産党に加わった時もあったと評伝に知るされている。上田耕一郎氏とも面識があり作家辻井喬のペンネームで小説や評論など文学に堪能なかただった。

 なまじ「連合」のごりごりの反動派よりも、財界人にはリベラルな見識をもったひとも少数いる。「連合」は、時代のなかで時によっては全労連と共同する場面もあった。しかし、現在の「連合」の実際の言動にはきわめて危うい局面を司っている。

 「市民と野党共闘」は、ゆるがない市民連合、日本共産党、自由党、社民党、沖縄の風、緑の党、新社会党、生活クラブ関係の地域ごとの政治団体などなど、これまでの実績と信念をもっている。民進党でも、共闘に貢献している党員や議員がたくさんいる。「連合」の不当な介入支配から独立して、参院選の時の岡田克也代表態勢のような意欲的な実質的共闘行動を期待したい。京都選出の代議士前原誠司氏は、党内保守派と目されているけれど、池田まきさんの北海道5区補選の際や、参院選でも、新潟知事選でも宣伝カーから他の野党から演説してきた実績がある。安住淳議員は、選対委員長としても代表代行としても、党指導部と党員の間で苦労しつつも、共闘野党代表が演説をおこなった時も、実直な人柄がうかがえた。

 「市民と野党共闘」は、第二ステージを迎えつつある。-了-

 



=====重要参考資料========

【孫崎享のつぶやき】

連合はリベラル勢力の癌だ・東京10区、野党党首級演説会に連合の圧力で候補者出席せず。かつ候補者事務所から連合のスタフ10数名引上げ。野党連合に反対の意思表示(朝日)

2016-10-24 08:596





A:事実関係

野党4党は20日、東京10区で党首級の演説会を開いた。

共産党の志位委員長、民進党の安住代表代行、社民の福島副党首、自由の山本がマイクを握ったが肝心の候補者の姿がなかった。

 演説会を企画した市民団体は。候補者不在について、「民進党の責任者が『連合の顔を立てるため候補者を行かせることが出来ない』といった」と明かした。

連合の神津会長は福岡6区の演説会に民進党候補が出席したことを問題視。連合はこの日東京10区の候補者事務局からスタフ10数名を引上げさせた。野党共闘に慎重なためだ。(朝日10月24日)

B:連合は今や、リベラル勢力の癌になりつつある。

 新潟知事選挙では連合新潟は自公候補応援に回った。

新潟県民は原発再稼働の中止を求めた。今次知事選挙の争点の一番が原発で、その7割以上が再稼働反対である。新潟県民は野党連合の米山氏を選択した。

 本来はここで、連合新潟は自分達の政策が正しかったか反省すべきである。

 しかし実際に何をしたか。

・知事選で自主投票を決めたにもかかわらず、初当選した医師の米山隆一氏を途中から実質的に支援した民進党県連の黒岩宇洋衆院議員=新潟3区=が混乱の責任を取り、県連代表を辞任する意向を固めた。

民進党の支持母体である連合新潟は、対立侯補の森民夫氏を支持していた。

選挙戦中盤以降、報道各社の情勢調査などで米山、森両氏が拮抗していると伝えられると、黒岩氏ら県連幹部や蓮舫代表が米山氏の応援に入った。そのため、県連と連合新潟との関係が悪化していた。

・民進党の野田幹事長は20日、新潟市中央区の連合新潟を訪ね、斎藤敏明会長と会談した。新潟県知事選で自主投票を決めたにもかかわらず、蓮舫代表をはじめとする民進党の国会議員が、勝利した野党系候補の応援に入ったことについて釈明した。

・民進の野田氏が連合会長に謝罪|信濃毎日新聞10月20日

「民進党の野田佳彦幹事長が18日に連合の神津里季生会長らに対し、新潟県知事選で自主投票を決めたにもかかわらず、蓮舫代表が勝利した野党系候補の応援に入ったことについて、謝罪したことが分かった。関係者が19日、明らかにした。」

・民進党は連合依存を早く脱退すべきだ。

・それにしても連合には様々な団体が参加しているはずだ。これらの団体は、今日の連合の暴走をどう見ているのか。

=====転載終了============

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