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【現代思想とジャーナリスト精神】

【安田純平さんとTBS NEWS23報道】2018.11.2

          櫻井 智志


 安田純平さんが非難されるすじあいはない。危険な戦場の事実を愛する同胞に伝えるために被った虐待。それがわかっても「自己責任」などという意味不明な言葉を万能語彙で批判する日本人。世界では、たとえ批判しても帰国したら無事を喜び歓迎する。心身疲労困憊したひとを引き回すか。


 私たちは忘れていない。日本人ジャーナリストがISに捕虜となり、家族の必死の願いも安倍首相は無視して、救出の交渉も働きかけもサボタージュ。戦場ジャーナリスト後藤さんは虐殺。稲田防衛相は虚偽答弁だった、「戦闘は皆無」。こんな安倍政権。平和ジャーナリストを非難できる資格はない。


 星さんの穏やかな「眠れましたか?」の第一声に、ほかの報道バラエテイとは異質の本格的報道の品格を感じる。雨宮キャスターと駒田キャスターは捕囚となった独房の窮屈さを共感的に質問する。事実をあきらかにするために、安田さんが穏やかな気持ちで応答できる環境は必須。


 星キャスターは、報道の役割を、冷静で客観的に、しかも本質に即して、インタビュー後にコメントした。報道はバラエテイと異なるのは、事実をより総合的に伝えているか興味関心に阿って伝えているかだ。事実をありのままに伝えていれば報道は国民を幸福にする。戦時中の翼賛報道の悲劇を忘れまい。


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