「かめのぞき」という色の意味についてもまとめておきますね。
かめのぞきの色 → 参考 色
①一般的な説明:
藍甕にちょこっとのぞいたくらいに=あまり回数をつけずに染めた色(通常は、回数を重ねるほど色が濃くなるので)
②あるいは、晴れた日に水がめを覗くと、空の色が映ってブルーに見える、その色をかめのぞきという。
③人間国宝染織家 志村ふくみ「一色一生」より
一つの甕に藍の一生があるとして、その揺籃期から晩年まで、漸時藍は変貌してゆくが、かめのぞきは最初にちょこっと甕につけた色 ではなくて、その最晩年の色なのである。・・・
浜辺の白砂に溶け入る一瞬の透きとおる水のように、それは健やかに 生き、老境に在る色である。決して若者の色ではない。風雪を越えて 老境に生きる人の美しさをもし松風にたとえるならば、正にそういう 香りある色なのである
③にあるように、植物の藍の一生と人間の生とを重ね合わせて観る、まさしく宇宙樹のように植物と人間との共生:共鳴を表現する一節です。
染織家にとって、本当のかめのぞき色とは、3の意味を持ちます。
はい、ここで今一度確認しておきたいこと。
検定試験に出題される場合、①番として登場します。
その場合、「いやいや本当の意味は・・・・」とか「他の説もあるよ」とか考えていると、時間がどんどん過ぎてしまうし、混乱します。
試験対策としては、過去問題などに慣れておき、さらにテキストに書いてあることを忠実に覚えましょう。
試験勉強というのは、そもそもそういうものだと割り切ってしまってください。
問題の中には、「実践では」、「現場では」、「本当は」 違うんだけどなあというようなことが正解回答として出てくる場合があります。
それに惑わされず、あくまで正解をもらうために、割り切って答えましょう。試験問題というものはそういうものなのです。
実践、現場では違うことがよくあるのです。特にカラーの現場では、試験に出てくるようなことがきっちりと行われているわけではありません。(もちろんそういうことが多いのですが・・・)
頭の柔軟性(感性)を持っていないと現場ではカラーは扱えません。
そういうことも宇宙樹に通じる考え方があるかもしませんね。本来、本当は、原点は、どうなんだろうと感じとる受信力が必要です。
秘書検定などの試験問題でも感じたことがありますね~。
実際の職場でこんな風にはしないだろう?とか答えは一つではなく、臨機応変に対応するよねとか考えてしまうような問題が出て、それでも試験としては、正解となる答えは一つなのです。
数学の試験なら、答えは一つかもしれないけれど、人間社会ではそうではないことが良くありますよね。
数学でもと書きましたが、そういえばこの前読んだ「天地明察」では、「明察!」と解けない問題を主人公が出したところから話が始まっていたなあ。
数学に弱い私はこのあたり掘り下げませんが・・・
シェアリングデイでも質問がありましたね。シェアありがとうございました。あ~そういうことがやっぱりあるのねと確認させていただきました。
カラーの検定も今やいろんな種類が出てきていて、それぞれのテキストで微妙に違う解説がある。ある問題で、解答してみたら、バツだった・・・確か他のテキストによるとこう解釈できるのだけれど・・・というような。
どの団体の試験を受けるかによって、そのあたり気をつけないといけないかもしれません。
その団体が出しているテキストに載っていることが正解になるわけなので、その場合割り切って、答えを見つけてくださいね。
そして、現実の現場では、自分はどう考え、どう実践していくかは、正解となる答えに惑わされることなく、自分のセンス、感覚、感性でカラーを扱っていってください。
知識と感性の両輪はバランス良く持っていないと、どちらか一方が肥大化してしまうと、うまく機能しなくなります。
カラーコーディネーターの試験に合格して、「1級カラーコーディネーター」の証明書をもらったところで、現場では通用しません。ただ、「箔がつく」だけです。でもこの箔は、社会的に必要になることも多いので、馬鹿にはできません。これも現実・・・・。
私が考えるのは、1級を持っているということは、「その方は相当な勉強家・努力家である」ということと、「知識面での裏付けをきちんと持っている」ということの証明になるということです。
これはとても重要です。
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