還暦で完璧、自然体ダンディー寺尾聰…25年ぶりアルバム
俳優で歌手の寺尾聰(59)が、25年ぶりとなるCDアルバム「Re-Cool Reflections」(20日発売、エイベックス)で、久々に音楽の表舞台に帰ってきた。
30代の時に出したアルバム「Reflections」は165万枚を記録、またシングル「ルビーの指環」は、だれもが口ずさめる伝説的なヒットソングとなり、135万枚のミリオンセラーだった。いずれもレコード時代だったため、「シャレで言っているけど、CDデビューなんだ」と笑う寺尾。
往年のヒットアルバムを振り返りながら、「25年前は売れたい気持ちも強かったし、(結果として)売れちゃったけど、本人としては出す以上は売りたかった。今は正直、心に染みるものを作れるかどうか、というのが大事」と言い切る。
だから、「比較をしてもらいやすいように」と、あえてニューアルバムをリメイク盤にした。メンバー(キーボード・井上鑑、ギター・今剛、ベース・高水健司)も当時のまま。そこに、「知っている人にとっては、よだれが出る」と寺尾が言う現役の世界最高峰のドラマー、ヴィニー・カリウタやパーカッションのアレックス・アクーニャが加わった。
「仲間はいろいろな経験を積み上げ、僕も俳優として経験を積んできた。だったら同じ歌を同じようにやったとしても、違う出来上がりになるはず」
さらに寺尾を再び音楽の世界に突き動かしたのは、毎年行うライブで20代ファンから届いたダイレクトな声。ヒップホップなどリズム中心の曲がもてはやされる中、「寺尾さんの起伏のあるメロディーが新鮮」と若い世代に受け入れられたことが、確信につながった。
来年、5回目の年男を迎えるが、「力を抜いて格好よく行けたらいいな。気取るのではない格好よさ」とポツリ。そして、「何が違うか、ということを見つけることが、団塊の世代と呼ばれる人たちのいい道しるべになってくれれば」とメッセージを寄せた。
色あせないダンディーな魅力は、NHKの新番組「SONGS」(来年1月2日午後10時半)でも、確かめられる。
■来年、還暦を迎える寺尾。そのダンディーさをどう保っているのか。よく知る音楽スタッフは、「何に気をつけてどうこう、というのではなく、自然体がポイントですね。たばこをやめたり、酒をやめたりするのではなく、やりたいことをやる、というスタンスです」と話す。
日ごろから周囲には、「死ぬまで青春」ともらしているそうだ。
ちょうど大学に入学したときに大ヒットしたのを覚えています。友達にカセットにダビングをしてもらって聞いていました。寺尾さんが60歳になり自分が44歳にあることなんて当時は想像できませんでした。時の流れって早いね